最終話 奇跡
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この人たちに付いていこう。
不思議と、そんな気持ちにさせられた。
私の曲でみんなが盛り上がって、喜んでくれている。私たちの歌と踊りが、多くの人の心を奮わせている。
こんな嬉しいことは、他にない。
飛鳥は想う。
始まりは輝穂の突拍子もない一言だった。またいつもの思いつきかと呆れた。
アイドルをやろう!
そんな言葉、普通なら出来やしない、馬鹿げていると突っぱねるだろう。
しかし、そう言う輝穂の目はキラキラと輝いていて、本気なんだと感じた。
飛鳥は知っている。
そんな輝穂に付いていくと、その先には楽しい事が待っていると。
だから飛鳥は何も言わずに輝穂と共に進むと決めた。瑞姫と出会い、Lyraが結成されると後は楽しい日々の連続だった。
自分がLyraの一員で本当によかった。
だってほら。今こんなにも輝かしく、楽しい瞬間が訪れているのだから。
輝穂は想う。
アイドル。それは人々に笑顔と勇気を与え、幸せにさせる素敵な存在。
テレビで見たアイドルに心を動かされ、いつしか自分もそうなりたいと強く想った。
思い立ったら即行動。まずは親友の飛鳥をアイドルになろうと誘った。その次に音楽室でピアノを弾いて歌う綺麗な女の子――瑞姫と出会った。
彼女の曲を歌いたい。輝穂は迷わず瑞姫をアイドルに誘った。
飛鳥と瑞姫。2人のかけがえのない仲間と共にアイドルをしていく。毎日が今までにない程に充実していた。
昨日より今日。今日より明日。そう心掛けて過ごした毎日だった。
だけど、Lyraは今日で最期。
なら、今日という日を最高の1日にしよう。
目の前でこんなにも大勢の人が、私たちを見届けてくれるのだから。
Lyraは想う。
今この瞬間は、最高だと。
曲が終わる。
沸き起こる拍手と歓声。ライブ後の余韻に浸っている彼女たちは、達成感と虚無感がごちゃ混ぜになっている。
けどこれだけは、伝えなくてはいけない。
「「「ありがとうございました!!」」」
拍手と歓声が大きくなる。
深々としていたお辞儀から顔を上げ、Lyraがステージから去ろうとしたその時。
『アンコール! アンコール!』
客席から、まさかのアンコールが響き渡った。
*
アンコールが会場にこだまする中、客席の一番後ろ、熱気から少し遠
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