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ママライブ!
第十話 聖夜
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を告げる合図が響き渡る。直後、ピアノの音が聞こえてきた。

 それはやがてメロディーを奏でる。


 どこか切なげで、神秘的な鍵盤の旋律。観客たちが息を呑んで見つめる視線の先は、ステージ上のLyraの3人。

 ゆっくりと動きをつけて歌い出す彼女たち。歌詞、メロディー、踊り。そのパフォーマンス全てに見る者たちは魅了されていた。


 やがてピアノだけの旋律に、ドラム音やギター、ベースが加わって加速する。

 軽快な曲調の中に入り混じる儚さ。それを強調しているのは彼女たちの歌声だった。

 それでも盛り上がりに欠けることはなく、観客たちはリズムに合わせて手拍子をしたり、声をあげたりしている。

 曲はサビへと突入する。

 メロディーに乗せて、歌詞を切なげに、力強く歌いあげるLyra。ダンスと歌で表現するものは、冬の旋律。

 それは、観客を魅了する。

 感動のあまり息を呑む者。気分が高揚し盛り上がる者。観客たちの反応は様々だ。

 観客の視線を一身に受け、Lyraは歌い、踊り続ける。



 やがて、彼女たちのステージは終わりを告げた。

 演奏が止み、Lyraは最後のポーズをとる。

 大きな歓声と拍手が、講堂全体に響き渡る。Lyraのステージを見た観客たちは、心から彼女たちに賞賛を送った。


「「「ありがとうございました!!」」」


 自分たちのステージを最後まで見てくれた人たちに、Lyraは礼を言う。

「えー、あのですね」

 拍手が鳴りやまない中、輝穂が喋り出す。

「プログラムでは私たちが最後になっていますが、今日はなんと、サプライズゲストが来てくれています!」

 サプライズゲスト。輝穂が言ったその言葉に、客席からはどよめきの声があがる。

「さっそくお呼びしたいと思います。ゲストの方、どうぞー!!」

 輝穂が舞台袖を向いて、ゲストを迎える。

 カツカツ。と足音を響かせ舞台上に現れた人影に、客席は今日一番の歓声が上がった。

 歓声を浴びながら、その人物は舞台の中央にやって来た。

 派手な衣装。可愛らしい容姿。特徴的なツインテール。

 音ノ木坂学院の生徒で、彼女を知らない人はいないだろう。


「ゲストは皆さんご存知、七夕えみちゃんです!!」


 現役の人気アイドル、七夕えみ。彼女の登場に観客たちは黄色い声をあげる。

「みんなー、にっこにっこにー!!」

『にっこにっこにー!!』

 えみの問いかけに、観客たちが応える。お馴染みのそのやり取りも、えみを知る者なら出来て当然となっている。

「今日はみんなの為に1曲歌います! バックダンサーは、彼女たち――Lyraよ!!」

 七夕え
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