第九話 行路
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よ!」
輝穂がそう提案する。
近くにいた音ノ木坂の生徒に使い捨てカメラを渡し、水槽をバックに輝穂たちは横一列に並んだ。
笑顔を浮かべ、手でピースを作る。
「はいチーズ」
写真が撮られる。
撮ってくれた生徒にお礼を言って、輝穂たちは水族館を進んでいった。
*
水族館を楽しんだ一行は、その後ホテルへと到着した。
夕食と入浴を済ませ、音ノ木坂の生徒たちは就寝時間を待つだけとなった。
学校側から決められた就寝時間。それを華の女子高生が守るはずもない。旅行において深夜という時間は“ガールズトーク”の時間と相場は決まっている。
輝穂、飛鳥、瑞姫、えみの4人においても、それは例外ではない。
寝巻きを着て、輪になって座っている。電気は点いたまま。輝穂たちは話に華を咲かせていた。
「ねえねえ、えみちゃんって恋人いるの?」
「はぁ!? いる訳ないでしょ!」
「でも芸能界って素敵な人が沢山いるでしょ。誰かに口説かれたりした?」
「それは……っていうか、あんたたちこそどうなのよ!?」
輝穂がえみの事を聞き出そうとしていると、えみは輝穂たちに話を振ってきた。
「私はいないなー」
「私も」
「私もいないわ」
えみの問いに否定する輝穂、飛鳥、瑞姫。
「女子校だから、そういう出会いがないのよね」
瑞姫がそう言う。その言葉に他の3人は「あぁー」と納得の声を上げた。
「じゃあ恋バナはおしまいだね。他に話題ある人ー?」
話題を変えようと輝穂は言う。それぞれ視線を宙に泳がせて考えていると、ふと瑞姫が言った。
「将来の夢とかは?」
「いいね! じゃあ言い出しっぺの瑞姫から!」
「ヴぇえ!?」
輝穂に言われて困惑する瑞姫。3人から期待のこもった視線を向けられて、恥ずかしがりながら答える。
「お、お医者さん……」
「「「おぉー」」」
輝穂、飛鳥、えみの驚きと感心の混じったような声に、瑞姫の顔は真っ赤になる。
「次、輝穂ね!」
半ば投げやりに輝穂に聞く。すると輝穂は「うーん」と首を捻りながら思案する。
「これっていう明確な夢はないかな」
そう呟く輝穂。でも、と一拍置いて彼女は続けた。
「今みたいに毎日楽しく過ごせたらいいなぁ」
そんな、願望を語る。
「私も、この4人でいつまでも楽しく過ごしたいなぁ」
飛鳥が、輝穂の言葉に同意する。
「4人って、私も?」
「うん。えみちゃんも一緒だよ」
まさか自分も入っていると思わなかったえみ。飛鳥はえみの疑問を肯定する。
「あ、ありがとう……」
まっすぐな飛
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