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ママライブ!
第八話 祭典
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えながら踊り続ける。
 
 曲が終わる。

 観客たちはLyraを拍手で讃えた。

「ありがとうございます! 次がこのステージで歌う最後の曲です。今日の為に新しく作ったものです。楽しんでいって下さい!」

 新しい曲。輝穂のMCに観客席からはどよめきが起こる。

「それでは皆さん、ご一緒に――」



「「「ミュージック、スタート!!」」」



 合図があって、講堂の大きなスピーカーからピアノの音が流れ出す。

 軽快なリズムのようで、どこか寂しさを孕んだ音の旋律。それが繰り返されると、瑞姫が最初のフレーズを歌い出した。

 次のフレーズに飛鳥が加わる。瑞姫と飛鳥の二重奏が、切なげなピアノのメロディーラインと調和している。

 次のフレーズ。輝穂も歌い出して、Lyraの三重奏となる。

 星を見に行こう。

 その歌詞を歌うと、切なげなメロディーにドラム、ギター、ベース音が混じり、軽快なリズムを刻んでいく。

 その変化に、観客が沸き立つ。

 歓声を一身に受けながら、Lyraはステージを舞う。

 華麗に踏むステップ、ピンと伸びる細い腕。全身でその曲を表現しながら彼女たちは歌い続ける。


 曲は最後のサビへと突入する。今まで見続けていた観客もそれが分かるようで、声援がいっそう大きくなった。

 負けじと輝穂、飛鳥、瑞姫は声を大にして歌う。この歌声が、見てくれている人たちに届くようにと。


 歌うパートは全て歌い切り、あとは最後まで踊るだけとなった。

 踊りながら少しずつ、飛鳥、瑞姫がステージ中央で踊り続ける輝穂に寄っていく。

 いよいよ曲が終わる。タイミングを揃えて、Lyraは最後のポーズをとった。

 ワッと会場が沸いた。観客の全員が立ち上がって、舞台上の彼女たちに惜しみない賞賛の拍手を送っていた。



「「「ありがとうございました!!」」」



 整列をして拍手に応えるLyraの3人。彼女たちはそれぞれ達成感、幸福感に満たされていた。


 3人の真ん中にいる輝穂が、飛鳥、瑞姫に意味ありげな目配せをする。

 輝穂の視線を受けた飛鳥と瑞姫は、輝穂の意図を理解した。

 小さく頷く飛鳥と瑞姫。すると輝穂がスッと息を吸い込んだ。



「せーのっ!」










「「「アイ、ラブ、ライブーーッ!!」」」

 

 
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