第七話 合宿
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でも明日から夏休みだから、よかったよね」
「夏休み! ねえねえ、どこか行こうよ!」
夏休みという単語を聞いて、意気揚々と輝穂は提案する。
「どこかって?」
「海とか、山とか! ちょっと遠くに行って合宿しようよ!」
「合宿かぁ」
「瑞姫ー! 合宿しよ!」
さっきまでのダラけ具合はどこへやら、輝穂は瑞姫の席に向かって言った。
「合宿?」
「うん! 夏休みにちょっと遠くまで遊びに行って、みんなでお泊りしようよ!」
「お金がかかるのはちょっと……」
申し訳なさそうに瑞姫は言った。
「う〜ん、なんとかならないかな。部費とか?」
「たしか部活として合宿申請すれば、部費が使えると思うよ」
「ほんと!? それじゃあさっそくその申請書をもらいに行こう!」
*
そして夏休みに入って数日後、輝穂は大きな旅行用のカバンを持って東京駅にいた。
今日は合宿の当日。提出した合宿申請は無事に承諾されて、輝穂たちはアイドル研究同好会として合宿に行けることになった。
「あ、テルー! こっちこっち!」
待ち合わせ場所にいた飛鳥が輝穂を見つけて呼び寄せる。輝穂はそれに気づいて待ち受ける飛鳥と瑞姫のもとに駆け寄った。
「ごめ〜ん、ちょっと遅れちゃった」
輝穂が来たのは集合時間から10分ほど遅れている。にもかかわらず輝穂はさして悪びれた様子もなくやって来た。
「まったく、時間はきちんと守りなさいよね」
「アハハ、2人とも待たせちゃってごめんね」
「全然いいよ、テルが遅刻してくるのは予想してたから」
少々トゲのある飛鳥の言葉に、輝穂はぶーっと文句を垂らす。
「飛鳥ってばひどーい!」
「それで実際遅れてくるのよね」
「それじゃあテルも来たことだし、行こっか」
「そうね、行きましょう」
「よぉーし、出発進行!!」
電車に揺られることおよそ1時間、輝穂たちは目的の駅に到着した。
「着いたー!」
「とりあえず宿に向かおっか」
「そうね、行きましょう」
慣れない土地を地図を広げながら歩いていくと、20分ほどで宿に着いた。
チェックインを済ませて用意された部屋に向かうと、畳の匂いが仄かにする純和風の部屋が彼女たちを出迎えた。
「おおー、畳だー!」
その光景に真っ先に輝穂が畳の上に寝転がった。ゴロゴロと気持ちよさそうに転がっている。その様子を飛鳥と瑞姫は呆れながらも見守っていた。
「それで、これからどうするの?」
「はいはーい! せっかく来たんだし色んなところを観光したいな!」
遊ぶ気満々といった輝穂に飛鳥と
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