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ママライブ!
第六話 憧憬
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う言ってえみは控え室を出て歩き出す。輝穂たちもえみのあとを追って歩いていく。


 今日のライブを見て、改めてえみは遠い存在なんだと認識したLyraの3人。
 なんだか話しかけるのもおこがましい気持ちで、終始無言のまま前を歩くえみについていった。


「着いたわ、ここで話しましょう」


 えみに連れてこられた先は、つい先ほどまでライブをしていたステージの上だった。

 他の観客やスタッフはいない。さっきまで熱気が充満していたステージは静寂に包まれていた。

 今ステージ立っているのはえみとLyraの3人のみ。

 彼女たちはステージ中央で並んで立っている。

「私のライブはどうだった? 楽しんでもらえた?」

 横にいるLyraの3人に語りかけるえみ。

「うん、とっても楽しかったよ! 招待してくれてありがとう、えみちゃん!」

 興奮した様子で輝穂はえみの問いに答えた。

「ありがと。あんたたちのライブもなかなか良かったわよ」

「あ、ありがとう」

 えみに自分たちのライブを褒められて、瑞姫は恐縮そうに礼を言った。
 そこで飛鳥は、えみが自分たちをライブに招待した理由を思い出した。

「そういえばえみちゃん、七夕祭りのライブ見に来てくれてたんだったね。それで今度は私たちにライブを見に来てほしいって」

「ええ、そうよ」


 そう答えるとえみはゆっくりと前に歩き出して、ステージの一番前で立ち止まった。


「あんたたちには、私のライブを見せたかったの」

 Lyraの3人に背を向けたまま、えみはそう言った。

「どういうこと?」

 言葉の意図が理解できずに、輝穂はえみに尋ねる。

 えみは依然として輝穂たち3人に背を向けたまま語りだした。



「悔しいけど、あんたたち……Lyraのライブに私は魅了されたわ。だからLyraに七夕えみというアイドルを見せつけてやりたかった。本当に悔しいけど、私はLyraをひとつのアイドルグループとして認めたの。だから――」



 えみは振りかえってLyraの3人を見つめ、力強く宣言した。





「――これから私たちは、ライバルよ!!」


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