第六話 憧憬
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
う言ってえみは控え室を出て歩き出す。輝穂たちもえみのあとを追って歩いていく。
今日のライブを見て、改めてえみは遠い存在なんだと認識したLyraの3人。
なんだか話しかけるのもおこがましい気持ちで、終始無言のまま前を歩くえみについていった。
「着いたわ、ここで話しましょう」
えみに連れてこられた先は、つい先ほどまでライブをしていたステージの上だった。
他の観客やスタッフはいない。さっきまで熱気が充満していたステージは静寂に包まれていた。
今ステージ立っているのはえみとLyraの3人のみ。
彼女たちはステージ中央で並んで立っている。
「私のライブはどうだった? 楽しんでもらえた?」
横にいるLyraの3人に語りかけるえみ。
「うん、とっても楽しかったよ! 招待してくれてありがとう、えみちゃん!」
興奮した様子で輝穂はえみの問いに答えた。
「ありがと。あんたたちのライブもなかなか良かったわよ」
「あ、ありがとう」
えみに自分たちのライブを褒められて、瑞姫は恐縮そうに礼を言った。
そこで飛鳥は、えみが自分たちをライブに招待した理由を思い出した。
「そういえばえみちゃん、七夕祭りのライブ見に来てくれてたんだったね。それで今度は私たちにライブを見に来てほしいって」
「ええ、そうよ」
そう答えるとえみはゆっくりと前に歩き出して、ステージの一番前で立ち止まった。
「あんたたちには、私のライブを見せたかったの」
Lyraの3人に背を向けたまま、えみはそう言った。
「どういうこと?」
言葉の意図が理解できずに、輝穂はえみに尋ねる。
えみは依然として輝穂たち3人に背を向けたまま語りだした。
「悔しいけど、あんたたち……Lyraのライブに私は魅了されたわ。だからLyraに七夕えみというアイドルを見せつけてやりたかった。本当に悔しいけど、私はLyraをひとつのアイドルグループとして認めたの。だから――」
えみは振りかえってLyraの3人を見つめ、力強く宣言した。
「――これから私たちは、ライバルよ!!」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ