第五話 七夕
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すでに制服から飛鳥の作った衣装に着替えている。浴衣を動きやすいようにアレンジした衣装は、祭りの雰囲気によく合っている。
やがて前の出演者の漫才が終わって、会場から拍手が沸き起こる。
『ありがとうございました。それでは続いての出演者、音ノ木坂学院アイドル研究同好会、Lyraのみなさんです! よろしくお願いします!』
司会者の合図とともに、輝穂たちLyraはステージに登場した。
スポットライトが彼女たちを照らすと、会場からの拍手で迎えられた。
「みなさんこんばんは! 私たちは音ノ木坂学院のアイドルグループ、Lyraです!」
それぞれが自分の立ち位置につくと、輝穂がそう自分たちを紹介した。
会場からは小さなざわめきが起こる。
いったい彼女たちは何者なんだろう。そんな疑問を多くの人は抱いた。
「今日は七夕を、お祭りを楽しんでいってください! それでは――」
輝穂は飛鳥と瑞姫に目で合図を送った。
「「「ミュージック、スタート!!」」」
彼女たちの掛け声に合わせて、ステージから瑞姫のつくった新曲のイントロが流れ出す。
祭りの雰囲気が感じられるアップテンポな曲調に、会場全体がいっそうの盛り上がりを見せる。
彼女たちが踊りだすと会場からは小さな手拍子が聞こえて、だんだんと手拍子の音は大きくなっていく。
会場全体が熱気に包まれるなかで、彼女たちは歌いだした。
やがて曲はサビに突入し、より激しいサウンドとともに彼女たちの踊りも激しさを増した。そして会場は、さらに熱気に包まれて盛り上がる。
歌って踊っている彼女たちの額には汗が浮かぶ。スポットライトの光がまぶしく、会場の熱気はすさまじい。
それでも彼女たちは笑顔のまま歌い、踊る。
そして曲の最終盤。
最後のサビの最後のフレーズを3人同時に歌い終えるとともに、彼女たちはステージ中央で決めポーズをとる。
同時に曲もギターサウンドで終了し、彼女たちのライブは終わりを迎えた。
曲が終わったとわかると、会場の観客たちからは大きな歓声が沸き起こった。
輝穂たちがステージの中央で手を繋いで並んで立つ。
「「「ありがとうございました!!」」」
観客に一礼する。
すると叫びにも似た大きな歓声が、拍手とともに会場全体に響いた。
輝穂はその光景に感動していた。
こんなに多くの人たちに自分たちのライブを見てもらって、そして楽しんでもらえた。もっとこの感動を味わいたい、共有したい。
そんな思いがわき上がってきて、輝穂は気が付けば叫んでいた。
「アイ、ラブ、ライブーッ!!」
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