第五話 七夕
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しい〜」
「ちょっとテル、はしたないよ」
ペロペロとリンゴ飴をなめながら飛鳥は輝穂に言った。
飛鳥の食べ方を見て瑞姫もリンゴ飴を舌をつかってなめていく。
「あ、おいしい……」
実は瑞姫、お祭り自体来たことがなく、リンゴ飴を食べるのはこれが初めてだった。
「あ、金魚すくい! ねえやっていこうよ!」
「これからライブだから持って帰れないよ」
続いて輝穂は金魚すくいの屋台を見つけるが、飛鳥がそう指摘する。
「持って帰れなくていいから、ねえ一緒にやろうよ!」
「はぁ、仕方ないわね」
それでもやりたいと言う輝穂に、飛鳥は諦めてため息をつく。
「やった! おじさん、金魚すくい3人で!」
ポイとお椀を受け取って、3人は水槽の前に並んでしゃがみこんだ。
「えい! よし、一匹ゲット!」
「私もゲットしたよ〜」
輝穂と飛鳥がポイを器用に使って水槽の金魚をすくい上げる。
「あぁ……破れちゃった」
あっさりとポイが破れて落ち込む瑞姫。金魚すくいもこれが初めてだった。
しょんぼりと落ち込む瑞姫を見て輝穂が声をかける。
「瑞姫、もしかして金魚すくいするの初めて?」
「……ええ、そうよ」
瑞姫は恥ずかしそうに輝穂から顔をそらした。
「そっか、じゃあ私が教えてあげるよ! おじさん、ポイもうひとつください!」
店主からポイを受け取った輝穂はそれを瑞姫に握らせる。そして輝穂は瑞姫の手首あたりを優しく掴んだ。
「ちょっ、輝穂?」
「大丈夫、こうやって一緒にやればすくえるから」
「う、うん。わかった」
輝穂は掴んだ瑞姫の手をゆっくりと動かしてポイを水につける。
そして近くの金魚に狙いを定めて、タイミングよく手首を返して金魚をお椀に入れた。
「今の感じでやればできるようになるよ」
「ありがと輝穂。次はひとりでやってみるわ」
そう言って瑞姫はポイを水につけて、狙いをつけた金魚をすくい上げた。金魚は見事、瑞姫のお椀の中に入った。
「で、できた。できたわ輝穂!」
「やったね!」
「すごいよ瑞姫!」
ずっと様子を見ていた飛鳥も一緒になって喜ぶ。彼女たちは祭りを楽しんでいた。
ライブの時間が近づき、輝穂たちLyraの3人は用意されたステージの舞台裏にやって来た。
そこには屋外に特設のステージが設置され、今は彼女たちの前の出番のお笑い芸人が漫才を披露していて、会場は盛り上がりを見せていた。
「うわぁ〜、お客さんいっぱい入ってるよ」
「うぅ……緊張してきたわ」
「わ、私もこれだけたくさんの人の前だと」
舞台袖から見えるだけでも観客はかなりの人数がいる。
Lyraの3人は
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