第四話 場所
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そして今は、生徒会に使用を許可された部室のカギを職員室に取りに行っている道中である。
「これで同好会として認められて、部室が使えるのね」
「まったく、テルにはいっつも困らされているね」
瑞姫と飛鳥は珍しく、輝穂に辛辣な言葉を投げかける。
「ごめんってば! でもこうして部室もらえたから良かったよね!」
「瑞姫が一緒にアイドルしてくれた時点で、申請しておくべきだったね」
「もお〜、飛鳥はいつまでも根に持つんだから」
「ついさっきのことでしょ」
軽く言い合いになる輝穂と飛鳥。そこに瑞姫が止めに入った。
「まあまあ2人とも落ち着いて、ほら職員室に着いたわよ」
職員室の前までたどり着いて扉を開けようと輝穂は手をのばした。すると職員室の扉が内側から開かれた。
扉が開かれて輝穂たちの前にいたのは、クラスメイトであり現役アイドルの七夕えみだった。
「あ、あんたたち……」
えみは輝穂たちを見てそう呟く。それが輝穂たちの耳に届くと、3人は顔を見合わせた。
「今の、あんたたちって言葉」
「どこかで聞いたような」
「そうよね。それもわりと最近の……」
輝穂、飛鳥、瑞姫の順番に言葉を繋いで、腕を組んだり顎に手をやったりして考え込む。
そして、同時に思い至って大きく声をそろえて言った。
「「「あぁー!! 今朝神社のところでグラサンとマスクにコートを着て、私たちに解散をしろって言った人だ!!」」」
3人はえみに指をさして驚きの表情を浮かべた。
それを聞いたえみはバツが悪そうな顔をしながら一歩、二歩と後ずさったが、次の瞬間には輝穂たちの横をスルリと抜けて走り出した。
「あ、逃げた!」
「追いかけるわよ!」
真っ先に瑞姫がえみを追いかけて走り出す。
「そうだね! 待てー、えみちゃーん!!」
「ちょっとテル、待ってよ!」
続いて輝穂、飛鳥の順にえみを追いかけて走り出した。
それからおよそ30分間、校舎内での鬼ごっこの末に輝穂たちはえみを捕まえた。
部外者から見ると、人気アイドル七夕えみと3人の追っかけファンにしか見えなかったそうだ。
職員室で鍵を借りた輝穂たちは、部室で3人並んで座っていた。
長机を挟んだ反対側には鬼ごっこの末に捕まえたクラスメイトの七夕えみ。彼女は頬杖をつきながらムスッとした表情で座っている。
「それで、今朝どうして私たちに解散しなさいなんて言ったの?」
「そうだよえみちゃん。なんでなの!?」
瑞姫と輝穂に言われて、えみは立ち上がって輝穂たちを指さした。
「あんたたちは、アイドルを侮辱しているのよ!!」
えみから言われた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ