第三話 舞台
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とはやった。
あとは神頼みで成功を祈るのみ。3人ともそんな気持ちだった。
翌日の放課後、Lyraの3人はライブ直前にもかかわらず校門前でビラ配りをしていた。
「このあと4時から、講堂でライブやりまーす!」
「ライブやります! ぜひ見に来てください!」
「よろしくお願いしまーす!」
輝穂、飛鳥、瑞姫が声を張って呼びかける。それでも受け取る生徒もいれば受け取らずに帰っていく生徒もいる。
そんな結果に一喜一憂していると、見知った3人組がやって来た。
「やっほー輝穂、頑張ってるね」
一花がビラを配っていた輝穂に声をかけた。
「一花、二葉、三緒!」
「手伝うよ」
「いいの!?」
二葉が手伝うと言って、飛鳥は思わず聞き返した。するとそれに三緒が答えた。
「リハーサルとかしておきたいでしょ? 呼び込みは私がしておくから、行っておいで」
「あ、ありがとう」
瑞姫が照れくさそうにお礼を言う。そして輝穂たちは講堂へと向かった。
控え室でLyraの3人は、飛鳥のつくった衣装に着替えている。
「やっぱり飛鳥のつくった衣装は可愛いね!」
着替え終えた輝穂は鏡で自分の姿を確認した。
「そうね、曲にも合っている衣装だわ」
「ありがとう!」
「準備できた? そろそろ始まるよー」
一花が3人を呼びにきた。もうすぐライブの本番、3人は控え室を出て舞台に向かった。
舞台につくと輝穂たちは舞台の中央に並んで立つ。舞台は幕が下ろされていて、輝穂たちは幕の向こう側の様子が気になって仕方がなかった。
「いっぱい見に来てくれてるかな?」
輝穂は小さな声で言った。幕の向こうを気にして声は抑えているが、輝穂の言葉からは高揚した気持ちが伝わってきた。それに飛鳥が答える。
「どうだろう。でも楽しいライブにしようね!」
「うぅ〜、緊張してきた」
緊張で震える瑞姫の手を、輝穂はギュッと握った。
「大丈夫だよ、いっぱい練習してきたんだから」
「輝穂……」
「それに私たちが一緒にいるから」
そう言って飛鳥は輝穂の空いた手を握った。
そして、開演を告げるブザーが鳴って、幕がゆっくりと上がっていく。
3人はお互いの繋がれた手により力を込めて、その瞬間を待った。
幕が完全に上がりきると、目に飛び込んできたのはガラガラに空いた客席。
それでも客席に座って見に来ている生徒はいるが、せいぜい4、5人程度だった。
「テル……」
「輝穂……」
思いもしなかったその光景に飛鳥と瑞姫は戸惑い、それぞれ手を繋いでいる輝穂に顔を向けた。
飛鳥と瑞姫は目を大きくして驚いた。
輝穂の
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