第二話 名前
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やきは、2人の耳に入ることはなかった。
「じゃあリビングに案内するね」
リビングに通された2人の様子は対照的だ。輝穂は何度も来たことがあり、慣れた様子でくつろいでいる。
一方の瑞姫はどこか落ち着かない様子でソワソワとしていた。
「お茶とお菓子もってきたよ」
「わぁ〜。ありがとう飛鳥!」
「あ、ありがとう」
「ふふっ、どういたしまして」
それから紅茶とお菓子を堪能してひと段落ついたところで、輝穂がリビングの一角に設置されたあるものに気がついた。
「ねえ飛鳥。あれってなに?」
「ああ、パソコンだよ」
「「パソコン!?」」
飛鳥の口から出た衝撃的な単語に、輝穂と瑞姫はそろって驚愕の声をあげた。
「パソコンって、あのパソコン!?」
「そうだよ。この前お父さんが買ったの」
「すごい、お金持ちだ……」
「作曲ソフトもあるから、瑞姫にはこれ使って曲を編集してほしいの。ピアノだけの伴奏だと盛り上がりに欠けると思うから」
「い、いいの!?」
「もちろん。音楽のことは私もテルもよくわからないから。これ説明書ね」
飛鳥から説明書を受け取ると、瑞姫はパソコンの前に座ってパソコンを操作し始める。
もともとパソコンで楽曲作業ができること自体は知っていた。しかし学校の授業でしかパソコンを触ったことがない瑞姫にとって、まさか自分がパソコンで楽曲作業ができるとは夢にも思ってなかった。
「さて、瑞姫が曲をつくってる間、私たちはなにしようか?」
「それなら、ポスターつくろうよ! 新入生歓迎会でライブをすることを書いて、学校の掲示板に貼ったらみんな観にきてくれるかも!!」
「そうね。じゃあポスターつくりましょうか」
やることが決まったところで、輝穂と飛鳥も作業にとりかかる。
数十分ほど話しながら作業をしたところで、飛鳥がふとした疑問を抱いた。
「ねえテル、アイドルって普通グループ名があるじゃない?」
「そうだねー」
手を動かしながら輝穂は空返事をする。
「私たちのグループ名って、あるの?」
飛鳥がそう告げて、輝穂は雷に打たれたように驚いた表情を浮かべた。
「そういえば決めてなかったね。じゃあ今から決めよっか?」
「そうだね。おーい瑞姫、ちょっとこっち来て」
飛鳥が手招きしてパソコンで作業をしていた瑞姫を呼ぶ。
「なに、どうかしたの?」
「実は私たちのグループ名がまだ決まってなくて。それを今から決めようってことなんだけど」
「それは……早くきめたほうがいいわね」
「というわけで第1回グループ名会議だよっ!!」
輝穂の声高らかな宣言とともに第1回グループ名会議が、ここ琴宮家で開催された
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