ペルソナ3
番外編060話 その頃の技術班 中編
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のだ。
数秒前の映像と違うのは、セシルの説明によると念動フィールドの刃を発生させると言われていた菱形の物体がまるで華が咲くかのように展開しており、その菱形の中に収納されていた何本もの細いケーブルを映している点か。
細いケーブルだけあって、菱形の内部に収まっていた割には1本1本、かなりの長さがある。
「これが、尻尾に隠されたもう一つの機能。仮の名ですが、ウルドの糸と呼ばれています」
ウルド。それは北欧神話に出てくる女神の1人で、運命の女神ノルン三姉妹のうちの長女として知られている。
編む者、織姫、運命、宿命、死を意味する女神と言われており、ニーズヘッグという機体名に相応しいと言えるかもしれない。
そんな意味ありげな名前を付けられた部位を見ながら、セシルの説明は続く。
「ここは皆さんも知ってる、ルリさん、ラピスさんの2人が開発に協力した代物で、言うなれば多用途用のツールとでも表現すべきものですね。例えば、電子的にロックされているところにハッキングしてそれを解除するとか、敵の機体に突き刺して電子的に動きを止めるとか。勿論ハッキングする以外にも悪質なウィルスを流す……といったような真似も出来ます」
おおー、と。
機体にハッキングやウィルスを流すといった機能を付けるというのは、この技術班だけに今までにも考える者はいた。
だが、そこには色々と難易度の高い問題もあった。
特に大きかったのが、素材の問題だ。
電子機器に対するハッキング能力を行うという事は、そのような機能を持つ素材や能力といった物が必要となる。
……それが可能となったのは、シャドウミラーであろうと容易に使う事が出来ない希少な素材……マブラヴ世界から得たG元素が使われたからだ。
もっとも、希少とは言ってもマブラヴ世界の火星からは未だに定期的にハイヴを襲っては、そこに眠っているG元素を入手してホワイトスターに送られてきているので、言葉程には貴重という訳ではないのだが。
それこそ、まるで養蜂のような真似がされているような状況だ。
だが、それでも幾らでも入手出来るCCやサクラダイトといった代物とは違い、それなりに入手に手間取る代物だ。
何より、魔法球と同じくらいの機密要素であるキブツでも生み出す事が出来ないというのが大きい。……キブツで生み出せないのは、CCやサクラダイトも同じなのだが。
ともあれ、G元素に関しては使用するのに上層部の許可が必要となる代物だ。
今回はその上層部が開発に動いたので、G元素の使用も許可されたのだろう。
「お静かに。……静かにして下さーい!」
ウルドの糸の機能にそれぞれ自分の感想を口にする技術者達を沈めるべく、セシルが大きく叫ぶ。
だが、それでも技術的に刺激する点があった為か、技術者の面
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