エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 1
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に光り輝く空飛ぶ円盤はかなりの速度で飛行しており、全速力で駆けても追いつけない。見失いかけたそのとき、円盤が唐突に停止し、高度を下げていく。
そこは小さな牧場。牛舎の中には数頭の牛が横たわっている。異様な気配に頭を上げた牛がなにごとかと外に顔を出して視線を上に上げた、そのとき。円盤からひと筋の光が牛にむかって放たれた。
まばゆい光につつまれるやいなや、だれも触れていないにもかかわらず牛舎の檻が開き、牛の身体がふわりと浮かび上がった。
そしてそのまま音もなくまっすぐに円盤へと吸い寄せられていく。
「ン、ンモー」
身の危険を感じた牛は悲痛な鳴き声をあげながら四肢をばたつかせるが、むなしく宙をかくばかりだ。
それと同時に近くの草々がなぎ倒され、奇妙で複雑な丸い模様を描いていった。
「ああっ、牛が、牛がさらわれちゃうよ春虎!」
「くそっ、キャトルミューティレーションでもする気かっ」
「しかもあれ、ミステリーサークルじゃないですか!?」
キャトルミューティレーション。牛や馬といった家畜が殺害され、死骸の一部が切り取られて全身の血液が抜き取られるという異常な惨殺事件で、宇宙人の仕業とされる。
ミステリーサークル。穀草が円形にたおされる現象やその跡。おもに円形が複数組み合わされた形状をしており、宇宙人の仕業とされる。
つい先日見た『ドキッ! 真夏の夜の丸ごと超常現象スペシャル20XX ポロリもあるよ!?』という、宇宙人やUFO、UMA。幽霊や心霊写真といったオカルトものTV番組でそのように説明されていたのを春虎と夏目は思い出した。
「やらせるかっ、急々如律令!」
語気を強めて宣言すると、春虎はふところから一枚の呪符を取り出して円盤めがけて投げ打った。呪符は矢玉のごとく大気を切り裂いて飛び、円盤に命中。轟音とともに炸裂した。
およそ紙一枚によるものとは思えない衝撃。だがそれこそが呪術の力だ。呪力により円盤が大きくかたむく。と同時に牛への照射がとぎれた。
中空に浮いていた牛は地面に落下し、痛そうな悲鳴をあげたが、草地が衝撃を吸収してくれたようですぐに起き上がると一目散に逃げ出した。
「よかった。あの牛さん、無事みたいです」
ほっと安堵の息を漏らす夏目。
「ああ。だけどあいつ、邪魔をされて怒ったりしてな」
春虎は固唾を飲んで上空の円盤を見つめた。夏目もふところに手を入れていつでも呪符を打てるように身構える。
相手は宇宙人(?)それもキャトルミューティレーションやミステリーサークルといった動物虐待や自然破壊をおこなう人非人。非友好的なタイプだ。気を抜くわけにはいかない。
しかし緊迫のときは長くは続かなかった。
円盤はいきなり上昇するとさ
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