エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 1
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、看破した。
隠形している。気配を消すのではなく、霊気の質と量を隠して一般人に見せる。そのような類の隠形で、これは呪捜官などがよく使用する。かつて呪捜官相手に大立ち回りを演じた鈴鹿をいらつかせるにはじゅうぶんだった。
「こそこそしやがって、うぜぇんだよシャバ僧が! バン・ウン・タラク・キリク・アク!」
左右の手が飛燕のように素早く舞い、それぞれ異なる印を描く。
呪符を掲げていたほうの手で呪力の盾を展開。五芒星を象った強固な障壁が生じ、かたほうの手に結んだ刀印が呪力の刃を飛ばした。
攻防一体の卓越した技巧。光線銃を完全にふせぎつつ、放たれた呪が空間を裂いて黒ずくめ男に炸裂。
「popopopopooooーッ!」
直撃を受けた男は人とは思えない奇声をあげて痙攣するように動きを止めた。まるで電波妨害。ジャミングされたかのように輪郭がぶれ、姿が明滅した。
ラグと呼ばれる現象に酷似していた。いや、それそのものだった。
(なに、こいつら、人じゃない!?)
式神や動的霊災は物理的な衝撃に対してこのような反応をしめす。
と、そのとき鈴鹿は背後に気配を感じた。見ればプールの水が割れ、中から漆黒の円盤がおびただしい量の水滴を落としながら浮上し、鈴鹿たちのいる真上まで飛来してくると銀光を発し、一条の光が照射される。
トラクター・ビーム。牽引光線にあてられた黒ずくめ男たちが円盤に引き寄せられ、内部に回収されると、円盤は銀色の軌跡を描いて星空の下を音もなく飛び去って行った。
「……ちゃちい円盤。『プラン9・フロム・アウタースペース』かっつうの」
つい先日、深夜のテレビ放送で観たカルト映画の題名が思わず口に出た。
「あ、ねぇ。ちょっとあんた、だいじょうぶ?」
呆然とこちらを見上げる少女に声をかける。
「……あ、ああ、あの平気、です。ありがとうございます。……あ、あの、鈴鹿、さん? ひょっとして十二神将『神童』の大連寺鈴鹿じゃないですか!?」
自分もとんだ有名人になったものね。妙にくすぐったい感じがしたが、おびえた少女に営業スマイルを浮かべるだけの余裕はじゅうぶんに持ち合わせていた。
「うん、そう。あたしは大連寺鈴鹿。あんたの名前は? なんでやつらにおそわれてたの?つか、やつらナニモン?」
「あ、私の名前は笹岡――」
夏と秋と行きかふ空のかよひ路は、かたへすずしき風や吹くらむ――。
夏が往き去り、秋が来る空では、暑い風の吹くもう片方に涼しい風が吹いているのだろう。そのような意味の古歌だ。
まさにいまの季節にぴったりの歌だが、たったいま春虎と夏目の眼前には季節を匂わす雅な風などではなく、安っぽいSF映画のような光景が展開されていた。
銀色
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