エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 1
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「また、こうやって春虎と、みんなといっしょに天体観測できますように、て」
「……」
「……」
「ちょ、ちょ、ちょちょっと子どもっぽかったかな? でもぼくは――」
「お、それじゃあおれは『みんなで海に行きたい』だ」
「海! あ、でももう今年は無理かな。クラゲの時期だし」
「クラゲかぁ……、やつらは海水浴の敵よな。クラゲ除けの呪術とかないのかな」
「う〜ん、虫除けの術の応用でなんとかできそうかな……、あ!」
小首をかしげて思案する夏目。その矢先に夜空をまた新たな光が流れた。
春虎と夏目はこんどこそなにか願いごとを唱えようとした。しかし次の瞬間、光点はかくんと鋭角に曲がった。
「「ええっ!?」」
仰天するふたりの目の前で光点はさらにかくんかくんと曲がり、天空にでたらめな軌跡を描いていく。
「ど、どうなってんだ。あの流れ星は」
「わ、わからないよ。虫や鳥だとしてもあんな動きはありえないし」
怪奇な現象におどろきを隠せない。
謎の流れ星はジグザグ飛行をくり返したすえに、ふたりの近くまで急降下してきた。
夏の夜気が大きくたわむ。
それは星ではなかった。虫でも鳥でもない。
銀色に光り輝く金属製と思われる巨大な円盤。中心部が上方にふくらみ、鐃?という法会で打ち鳴らされるシンバルのような打楽器に酷似している。
空飛ぶ円盤の基本中の基本形。いわゆるアダムスキー型UFOだった。
はじめて遭遇した未確認飛行物体に春虎と夏目は絶句した。
鵺や野槌、牛鬼といった異形の存在を見てきたが、そのどれにも眼前に浮遊する空飛ぶ円盤は似ていない。
未知との遭遇に硬直するふたりの頭上を越えて、謎の円盤はいずこかへと飛び去ろうとする。
「追うぞ!」
「ええっ?」
「なにおどろいてるんだ、あんな超常現象を目にして陰陽塾の生徒がほうっておけるかよ。おれたちは怪異を祓う陰陽師なんだぜ。行くぞ!」
「は、はい!」
いつになくきびしい声で宣言する春虎に夏目がときめいた。大友陣と蘆屋道満の呪術戦を目のあたりにして以来、それまでとぼしかった熱意と意識をもって呪術を学び、たのもしさを感じさせるようになった春虎だが、今夜もまた陰陽師としての自覚を発揮し、超常現象に立ち向かおうとしているのだ。
「さすがは春虎様! 面妖な未確認飛行物体を前にしても一歩もひるまぬそのお姿、このコン。春虎様の勇敢さに感服いたしております」
非常事態に実体化したコンも春虎の勇姿を賛美する。
実際のところは絵に描いたようなザ・UFOを目撃し、単純に好奇心を刺激されて野次馬根性むき出しで追跡を開始したにすぎないのだが、そうとは露知らずに追随し、空飛ぶ円盤を追いかけた。
未知との遭遇を経験し
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