エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 1
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の命と引き換えに莫大な身代金を要求した。インカ側はその要求に応じて黄金と白銀の山をさし出した。だがピサロは邪教の神を信仰し、真の宗教であるキリスト教を拒否した罪とやらで皇帝をでたらめな裁判にかけ火あぶりを宣告した。
しかしインカの信仰を破棄し、キリスト教に改宗するなら減刑し絞首刑にしてやるとピサロは言った。
インカの信仰は死後の世界を重んじる。人の遺体はミイラにされて神殿に安置されて魂の不滅と休息を得る。ということになっているのだが、火に焼かれてしまっては遺体は残らずミイラにもされず、魂は滅びてしまう。そう考えたインカに人たちは屈し、屈辱と無念のなかで皇帝はキリスト教の洗礼を受け、「フランシスコ」という洗礼名をあたえられた。
以後、インカの富はすべてスペインに強奪され、インカの民は奴隷にされて虐待の果てに死んでいった。
国や財宝どころか精神までも侵され奪われたのだ。
すべては唯一絶対の神の名において。
唯一神の名のもとに世界中を侵略し、植民地に対する圧政と暴政、搾取と大虐殺を長年にわたって展開した。
似たようなことは近代になってもおこなわれている。阿片戦争の顛末など、いかに西洋人が傲慢で横暴かがわかるというものだ。
閑話休題。
「くっ、おとなは信じちゃくれない。僕たちの手でどうにかしないと……」
「まぁ、やつらが本当の宇宙人だろうがそれ以外のなにかだろうが、得体の知れない連中が俺たちの街で好き勝手しやがるのはいけ好かないな。さいわいまだ夏休みは続いているし、ちょっとその子、笹岡真唯の身辺を探ってみたらどうだ。またやつらがちょっかいかけてくるかも知れねぇぞ」
「それなら心配いらないわ」
鈴鹿が手にした聖書をめくると、そこには黒板塀に囲まれた大きな屋敷が映し出されていた。どこかの旧家だろうか、周りは田園地帯で、いかにも地主の屋敷。という感じだ。
絵は静止画ではない。風に揺れる木々の枝や道路を走る自動車の様子は、まるでストリートビューのようだ。
「おおっ!」
思わず目を見張る春虎。
「あの娘の近くに式を放ったの。妙なやからがちょっかいかけてきてもすぐにわかるわ」
「じゃあ、これ。彼女、笹岡さんの家ですか? ずいぶん立派なお宅ですね」
土御門の家ほどではないが笹岡家も歴史のある家のようだ。
「……ふた組に分かれない? 笹岡さんの護衛と、情報収集」
「情報収集?」
「うん。プールの中から円盤が飛び立ったとか、あの学園にはなにか秘密があるかもしれないでしょ、街の様子も見てみようよ。やつらが地球人に化けて潜り込んでいる可能性もあるから油断はできないよ。『ゼイリブ』や『V(ビジター)』みたいにさ」
「天馬、おまえけっこう変なもん見てるんだな」
「部外者がガッコーの中に入るわ
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