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東京レイヴンズ 今昔夜話
エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 1
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――。
 とりあえず身近にいる信頼できるおとな。担任講師の大友陣に朝一番に昨夜起きた異常なできごとを告げたが、白眼視され、真摯に受け止められることはなかった。

「まぁ、そうだよな〜。実際に遭遇したおれらでさえ、あれは夢だったんじゃないかと思うし」
「あれは夢なんかじゃないよ! 現実に春虎君も鈴鹿ちゃんもUFOや宇宙人と接触。それどころか呪術戦したじゃないか。これはもう第一種接近遭遇どころか、いっきに第五・五種くらいすっ飛ばしちゃってる。ゆゆしき事態なんだから」
「だいいっしゅ?」
「接近遭遇?」

 土御門の若きふたりの言葉がハモる。

「そう。UFO界のガリレオとも呼ばれる、 宇宙人研究の第一人者ジョセフ・アレン・ハイネック博士の定義したUFO目撃事件の分類方法さ。――第一種接近遭遇はUFOを至近距離から目撃すること。第二種接近遭遇はUFOが周囲になんらかの影響を与えること。第三種接近遭遇はUFOの搭乗員と接触することで、四種はUFOの搭乗者を捕獲すること、五種は直接対話すること、六種は遭遇の結果、死傷が発生すること。今回はそこまで大ごとにはならなかったけど、交戦状態にはなったから五・五ってとこじゃないかな。これは史上初のできごとだよ! 僕たちはいま歴史の転換期に直面しているんだ! まるでアメリカ大陸を発見し、先住民とはじめて接触したコロンブスのように!」
「どっちかっつうとコロンブスはむこうのほうじゃねぇか? にしても不吉なたとえだな、よりにもよってコロンブスとは」
 
 クリストファー・コロンブス。この野心あふれる奴隷商人のせいで新大陸の人たちはつぎつぎ奴隷とされ、ヨーロッパから持ち込まれた疫病と虐待のために殺されていく。
 コロンブス、マゼラン、ヴァスコ・ダ・ガマ。彼らヨーロッパ人が大西洋やインド洋に進出したときから人類史に悲劇がはじまる。
 彼らは南北アメリカを発見≠オ、インドを発見≠オ、フィリピンを発見≠オ、行く先々で流血と破壊を巻き起こし、財宝を略奪し、先住民をさらって奴隷にした。
 そしてなんの良心の呵責もなく言い放った。

「やつらは唯一絶対たる真の神を知らぬ異教徒であり、文字も知らない野蛮人である。すなわち人ではなく、獣にひとしい。獣をあつかうようにやつらをあつかうことになんの問題がある」

 漢字やアラビア文字はヨーロッパ人たちにとって文字ではなかったのだ。自分たちの悪行――他国の独立を奪い、他国の人たちを奴隷とし、他国の財産を掠め、他国の文化を貶め破壊し、それに逆らう者は殺す――。それらを正当化するために「こんなものは文字ではない」と主張し、実行した。
 フランシスコ・ピサロは南米インカ帝国を滅ぼしたスペイン人だ。彼が西暦の一五三二年にインカ帝国に侵攻して皇帝アタワルパを捕らえると、そ
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