エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 1
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きほど以上の速度で牛が逃げていったほうとは逆へと飛んでいった。その姿は遠く輝く銀色の光点となり、やがて満天の星々にまぎれて消えてしまった。
「くそっ、逃がしちまった!」
「…………」
歯がみする春虎とは裏腹に夏目の顔には喜色が浮かび上がっていった。
「春虎、すごい!」
「え?」
「霊災修祓どころか外宇宙からの侵略者を追い払うだなんて、ほんとうにすごいです!」
「え? あ!? いや〜、それほどでも……。進級試験のときの鵺のほうがよっぽど手ごわかったぜ」
「ですが得体の知れない相手に臆することなくイニシアチブを取るだなんて、以前とはくらべものにならないほど成長してますよ」
「あはは、それほどでも〜、あるかもな」
実際、先の祓魔局目黒支局におけるシャイバとの戦闘以降、まるで堰を切ったかのように春虎はレベルアップしていった。
もともとあった非凡な霊力にくわえて、技術面においても急激な成長をはたしたのだ。
「春虎、すごい! 春虎、えらい!」
「あ、あはは、アハハハ! そうかな、おれ、エイリアンから地球を救っちゃったのかな? かな? かな? かな?」
夏目からの嵐のような絶賛に白い歯を見せて上機嫌で笑う春虎であった。
「――で、けっきょくその未確認飛行物体を取り逃がしちゃったってわけ?」
ふたたび丘の上に集合。簡易テントの前に集まり、先ほどの超常現象について情報を交換し合う。
「そりゃ逃がしちまったけどよ、相手は空を飛んでるんだぜ。捕まえられるかっての」
「北斗と雪風はどうしたのさ。あいつらでも追いつけないくらい高空高速で飛んだわけ?」
「「――あ」」
「なにが『あ』よ。まさかあんたら、自分の式神のこと忘れてたとか?」
土御門家に代々仕える古豪の式神、北斗と雪風。神馬と見まごうばかりの雪風は夏目がつねに身に帯びている式符に宿り、北斗もまた夏目が使役する護法式で、二体とも飛行能力をもっている。
「あっきれた、手持ちの式の存在を失念するとか、どこのド素人だっつうの。あんたらほんとに土御門のニンゲン? 夏目っち、ダメなほうの土御門が伝染ったんじゃないの」
「し、しかたないだろ。相手は宇宙人だぞ、宇宙人。あんなの目のあたりにして冷静でいられるかよ」
「そ、そそ、そうですよっ。大連寺さんだって捕まえられなかったじゃないですか!」
「あたしは女の子の保護を優先しただけ〜、あんたたちとはちがいます〜」
黒服たちにおそわれていた女の子、彼女の名は笹岡真唯といった。中津川学園の二年四組の生徒で、天文部員。おなじ天文部員の岩井聖子を探しに夜の学園に来たところ黒服たちの襲撃を受けたという。
「――天文部の活動はないはずなのに岩井聖子って子が『天体観測に行く』
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