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提督はBarにいる。
風邪引き提督と艦娘達・2
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見ていたら羨ましくなったらしい。そして次々と欲望に屈して、俺の周りが駆逐艦だらけの押しくらまんじゅう状態が出来上がったらしい。

「司令官さんはぐっすり寝てたのに……起こしてごめんなさいなのです」

「いやまぁ、良くはねぇが……怒ってないから安心しろ」

 万が一風邪が移ってダウンされても困るしな。

「しかし……その元凶の時雨が見当たらんが」

 俺の呟きが聞こえたのか、布団の中で何かがビクリと震えた。

「……まさか」

 布団を捲ると、俺のズボンに手を掛けようとして固まっている時雨とバッチリ目が合った。

「えへ、お……お邪魔してま〜す」

「弁明の余地無し。連行」

「「「「イエッサー」」」」

 複数の駆逐艦達に拘束され、抵抗しながらも連行されていく時雨。ズルズルと引き摺られながら『出来心だったんだ』とか『魔が差しただけなんだ』とか『夕立だけずるい』だの叫んでいた気がするが、熱に浮かされて幻聴が聞こえたのだろう。まだ夕飯には早いだろうし……もう少し寝よう。




「腹が……減った」

 唐突にゴローちゃんみたいな台詞を吐いて起きてしまったが、事実腹の虫が喧しく鳴いている。窓の外を見ると既に星空……駆逐艦達に起こされてから4時間位は寝ていたらしい。朝と昼の中間位の時間にお粥を食って以来腹に何も入れていない。食欲が出てきた事を考えれば身体も治そうと必死なようだ。

「熱も下がってきたようだし……気だるさも無くなってきたな」

 いやはや、頑丈な我が身に感謝だな。しかし……流石に病み上がりに自炊はしたくないが、この空腹には替え難い。さてどうしたものか……と思案していると、

「提督、起きてらっしゃいますか?」

 ノックの音と共にドアの外から声が掛かる。この声は……大和か。

「あぁ、起きてるぞ……というか、腹が減って起きた所だ」

「あら、それならグッドタイミングでしたね。ちょうど今お夕食とお薬をお持ちした所です♪」

「ありがてぇ……早速入ってくれ」

「ふふっ、失礼しますね」

 そう言って入ってきた大和の手には、お盆が載せられており、その上には湯気の立つ丼が乗っていた。

「消化の良い物を、と思いまして。特製の『梅ワカメうどん』です!」

「おおぉ、美味そうじゃないか……で、七味は?」

「えっ」

「うどんには七味だろ、常識的に考えて」

 何を隠そう、俺は辛い物好きでな。丼物や蕎麦、うどんを食う時には七味をこれでもかとかけて食うのが好きなんだ。しかしそれが見当たらない。

「ダメですよ提督、具合が悪い時には刺激物は避けるべきです」

「いや、しかし」

「ダ・メ・で・す」

「アッハイ」

 病人に人権は無い
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