ep7 the space's struggles (side B)
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戦闘は滞ることなく終わった。イレギュラーだったのは、国連軍の機体が所属不明の擬似太陽炉搭載機と交戦したことくらいで、基地の制圧は国連軍の一方的な攻撃で完了した。
クラウスは自ら指揮を取り、偵察隊を基地に向けて進行させる。国連軍が撤退したのは確認済みだ。
砂漠地帯を越え、クウェートの領土に入る。その時点で、遠くに黒煙を上げている場所が視認できた。
バンを運転する仲間がクラウスに声をかける。
「生き残ってる奴ら、いるかな」
「どうだろう。ただ、私は少しでも期待したい」
やがて偵察隊は基地から500メートルほど離れた地点に着く。クラウスは望遠鏡を構え、基地内に敵がいないことを確認した。
「大丈夫そうだ。行こう」
バン3台の偵察隊は基地に進み、手近な施設に横づけする。
基地は遠くで見たよりも悲惨だった。主要施設は全て破壊され、MSの残骸があちこちに散らばっている。まるで生気の感じられない場所だった。
クラウスは仲間に指示を出した。
「片っ端から息のある人間を見つけ出すんだ。救助する」
仲間たちはクラウスの言葉を受けてバッと動き出す。こうした作業に慣れている足取りだった。
クラウスはバンの見張りを仲間に任せて、近くで大破しているフラッグに駆け寄る。
ーーコクピットはやられていないが、大丈夫だろうか?
フラッグにはコクピットが2つある。メインが胴体のドラムフレーム部分で、そこは被弾していない。
そのとき、無線機から仲間の慌てた声が発せられた。
『クラウス、こっちに向かって何かくる!2時の方向!』
仲間が示した方に望遠鏡を構える。何の特徴もない景色の中で、対象はすぐに見つかった。
クラウスはその『何か』を見て、怪訝な声を漏らす。
「あれは……ガンダム?」
2時の方向に現れた『ガンダム』はこちらに光通信を送り、クラウスの前に降り立った。
「攻撃の意思はないだと?」
国連軍が撤退した後ということもあり、偵察隊にMSをつけてこなかった。自身の甘い判断にクラウスは歯噛みする。
仲間たちがクラウスの元に集まる。ジョージがガンダムを指差して言った。
「おい、ハッチが開くぞ」
ガンダムの胴体部が前方向に開いた。カツ、カツという足音が聞こえ、中からパイロットが出てくる。
凶悪な顔つきをした、金髪の若い男だった。両手首には黒い手錠をつけており、男の首周りは爆発痕のような傷がある。
男は破壊された基地を見下ろし、愉快そうに笑った。
「あげゃ、ここにはねェな」
それから男はクラウスたちの方に目を移し、奇怪な笑い声と共に言った。
「
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