暁 〜小説投稿サイト〜
ルヴァフォース・エトランゼ 魔術の国の異邦人
シーホーク騒乱 5
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ングアーマーの掃討が終了し、人々の表情に安堵の色がもどりはじめた頃、ひとりの男が息せき切って駆けつけてきた。
 血と埃にまみれた制服は総督府勤めの衛兵のものだ。
 
「バカでかい鎧の化け物が総督府で暴れている、応援に来てくれ!」
「なんだと!? くそっ、こいつらだけじゃなかったのか。……なぁ、あんたたち。ええと……」
「賀茂秋芳だ」
「ウェンディ=ナーブレスですわ」
「カモにウェンディ。悪いがもうひと働きしてくれないか、シーホークを救うにはあんたたちの力がぜひ必要だ」
「是非もなし、ですわ!」
「……まぁ、お嬢がそう言うなら。ただその前に補給だ、補給。さっきから【ライフ・アップ】を連続使用しているが、マナ欠乏症にはなってないか?」
「まだまだ余裕ですわ」
「だが念のため魔晶石や各種ポーションあたりを用意しておいたほうがいい」

 魔晶石とはその名の通り魔力の詰まった宝石で、自然界に満ちるマナを充え、魔術を使う際の消費マナを肩代わりするのに使えるほか、込められているマナを直接吸収することでマナ欠乏症の治療薬にもなる。
 魔術師にとってはまことにありがたいアイテムだ。

「学院御用達の魔道具店があったはずですわ」

ウェンディのポケットマネーで取り急ぎ補給を終えた秋芳たちは総督府へ急行した。
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