夜虎、翔ける! 4
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で賀茂氏の末だという。
「まぁ、山城賀茂氏や葛城賀茂氏。賀茂氏もいろいろと枝分かれしているしな、どれどれ……」
インタビューに目を通す。
『異世界に飛ばされる系のお話を見ていつも思う。アフリカとか南米とか中央アジアとか
今でも電気もガスも水道が通ってなかったり、戦乱が続いている地域があるけど、そんな場所に行ってヒーローになれるわけないだろ、と。そもそもそんな国で生きていけるか?
戦後の日本みたいな平和で豊かな国に生まれ育った若者がさ、電気もガスもコンビニもカップラーメンも水洗トイレもない中世の国を。
机上の空論だけの軍オタが魔法世界に行って現代兵器で軍隊ハーレムとか作れるわけないだろ。作り手も受け手も、もっとよく想像してみろと言いたい。
あ〜、あとファンタジーとかによくある勇者の伝説ってやつ。
国王の悪政や盗賊に苦しむ国や村があって、人々は古くからの予言や伝説に希望を託している、いつか旅の勇者が矢ってきて悪王や盗賊をやっつけてくれるとか、なにも知らない旅人がやってくると人々は勝手に彼を勇者と決めつけ、おだてあげ、泣きつき、悪者と戦わす。てパターンがあるけど、つまり自分たちは悪政を打倒するためにはなにもしない。どこからかつごうよく正義の勇者があらわれて悪をやっつけて、またつごうよく去っていく。最初から最後まで他人に責任を押しつけて自分たちはなにもしない。
そういう手合いが多いけど、 俺はそんな連中のためにひと肌脱ごうとは思わないね。だから見たり読んだりしてても感情移入できないんだよ。
それと俺はあらすじやタイトルに異世界∞転生∞チート∞魔王∞勇者∞妹≠ニいうワードの入った作品は、もうそれだけでスルーしてるから、アニメ屋やラノベ屋はもう少し考えたほうが良いよ』
「呪術と全然関係ねぇッ! なにこいつインタビューにかこつけて好き嫌い語ってるんだよっ! 最近のアニメ・ラノベ系批判してるんだよっ! こんなの載せるなよ!」
「そうよね、妹はべつに問題ないわよね」
「気にするところがそこかよ!」
「とにかく変わり種でしょ」
「奇をてらえばいいってものじゃないですよ」
自分が陰陽塾に通っていた頃に、こういうやつがいたような、いないような……。妙な既視感をおぼえつつケイタイを返す。
「……とにかく、ここにはもう用はない。次の場所へいそごう。――非時の実のある、闇寺へ」
夢を、夢を観ていた。
楽しい夢を――。
平坂は楽しい夢を観ていた。
夜の校舎を徘徊する動的霊災を修祓し、校内に蔓延する呪いの人形を回収し、呪捜官に代わって妖術師をやっつけた。鬼を使い竜を駆り、地を奔り空を翔けた。
夜虎とふたり、力を合わせて様々な奇怪な事件に挑み、その闇を暴いていった。
そして、
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