光の中の闇
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には防げない」
地面に座り込み、そう言うハルマはまるでこの結果を知っていたかのようだ
「まるでこうなる事が分かっていたかのような言い方ですね」
皮肉を込めてそう言ってもハルマは眉ひとつ動かさず、淡々と一つのネタをばらした
この戦いの勝敗を分けた布石。ハルマだからこそ行えたその方法を
「眼を合わせた時、俺はあんたにこう暗示を掛けた。チャクラ切れを起こすまで術を使えと」
写輪眼の力を正確に把握出来ていれば違ったかもしれないが、結果的にハルマがこの戦いを操っていた。あの時。一瞬でもハルマと眼があってしまった時点で勝敗は決していたのだ
「全て俺達の思惑通りだ」
そして、炎の矢がシリュウを焼いた
皮膚が爛れ、地面に這い蹲るシリュウは笑う。レツの放った炎の矢ならシリュウを焼き切る事さえ出来た筈なのにそれをしなかった。二人の甘さをシリュウは感じていた
レツが戻って来る。やりきった表情を見せるレツにハルマは立ち上がり、彼の手を叩く事で応える。
「はは・・・・・・甘いですね・・・・殺さないとは」
「俺達はあくまであんたに勝てれば良かったからな」
「ですが、それではこの世界を生き残れない・・・・この世界は黒く、醜い。綺麗事だけで生きられる程甘くはない」
ハルマはその言葉の意味を理解している。人柱力として人一倍悪意や憎しみといった負の感情を向けられてきたから。だから甘さを捨てなければならない時が来れば、人を殺すだろう。忍として避けては通れぬ道を行く事に迷いはない。だが、ハルマは自分達だけがその甘さを捨て切れていないとは思えなかった。目の前にいるこの男もまた自分達と同じだと、そう思えてならない
「分かってる・・・・けど、それはあんたもだろ?」
「オレ達を殺そうとは思ってなかったんじゃねーの?」
無言を貫くシリュウにハルマは更に問いを続ける
「あんたはどうして、国を恨むんだ?光の国の大名を殺そうとしたのはあんただろ?」
「・・・・・・貴方達に言う必要は無いでしょう。ただ、光の中に潜む闇は強大でそれが私から全てを奪った」
「調べれば色々出て来るでしょうね。ははは」
シリュウの言葉でハルマはこれらの事件は光の国への復讐心によって起きたものなのだと悟った
「あんたも被害者・・・・なのかもな」
それでもシリュウがやった事が許される訳ではない。死人を愚弄する事も、仲間を捨て駒扱いした事も全て許してはならない事だ。しかし、その気持ちをハルマはまるで未来の自分であるような錯覚をする程に分かってしまう
「今回は私の負けです。このままならまた会うでしょう。次も敵として」
最後の力を振り絞り、消えたシリュウと入れ替わるようにしてカナとアサヒがやって来る
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