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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第8話 「懐かしき重み」
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。だがこの可愛さを残したまま大人になる可能性もある。それは誰にも分からない。
そもそも、その結果を知るためには長い時間が必要になる。その中でも大きな出来事が間近にふたつもある状況なのだからまずは目先のことに集中しなければ。ただ……これだけは言っておきたい。
「クラスにひとりくらい居そうな女の子だよ」
「ひとつええか? 何でちゃんとまとまってたんに言い直したん? 私の感覚が間違ってないならさっきとは別の意味が込められてそうなんやけど」
だって普通という言葉が一般的という意味で使われてるなら、君の言動を考えると少しずれてるように思えるから。普通の人は初対面の人間に乗った状態でボケたりしないでしょ。
そのように言いたくもあったが無言を貫くことにした。
今日の目的はこの世界のはやてと面識を持つこと。嫌われるのも困るが親しくなりすぎるのも困る。
親しくなっていた方が後々楽なことも出てくるかもしれない。が、現状でもこの世界には俺の知らない流れが存在している。先日のフェイトの一件が良い証拠だ。
それだけに……下手に関わり過ぎると彼女の身に俺の知らない不幸が降りかかるかもしれない。
ただでさえ、ジュエルシードを巡る事件が終われば、彼女を中心に事件が起きるのだ。避けられない不幸があるのだから余計な不幸が降りかからないようにしなければ。
「まあ……ええけど。……そういえば、名前何て言うんや?」
「普通名前を聞くなら先に名乗らない?」
「それはそうやな。私は八神はやて言います。えっと、その……素直に言うのが少し癪な部分もあるけど、助けてありがとう。でもあんまり女の子に触れたらあかんで。私みたいに心が広くないとすぐ痴漢やセクハラやって騒がれるんやから」
素直に礼だけで終わらないあたりが実に八神はやてらしい。これを聞いて理解できるのは、俺と同じような境遇の人間か全てを観察出来ている存在くらいだろうが。
「次はそっちの番や」
「たまたま図書館で顔を合わせた相手の名前なんて知らなくてもいいと思うんだけど」
「自分を助けてくれた相手の名前くらいは知りたいと思ってもええやろ。私は恩を仇で返すような真似は嫌いなんや。それに……また顔を合わせるかもしれんやろ?」
それは聞く人によって解釈が異なる問いかけだ。
普通にまた会うかもしれないと聞いている。そう判断する者も居るだろう。
だが八神はやてという人間の本質……歩む流れを知っているものならば、また会いたいと言っているようにも思えるのだ。
守護騎士が目覚めるまでこの子はひとりなのだから。
「まあいいけど。俺は夜月翔」
「ショウくんか。頻繁に顔を合わせるか分からんけど、とりあえずよろしく」
にこりと笑いながら手を差し出すはやてに俺は少し戸惑っ
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