アナタと寄り添うミライ
[3/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
。今日手伝ってくれただけでも十分助かりましたわ。明日からは私ひとりで」
「ダイヤさん。まだお仕事たくさん残ってますよね?」
「いえ、そんなことはありませんわ」
嘘、本当は花丸さんの言う通りまだ多くの雑務が残っている。
「ダイヤさん、マルの目をよく見てほしいずら」
言われた通りに花丸さんの瞳をよく見る。
くっきりと丸くて少し垂れた、はちみつ色の大きな瞳。
私はツリ目だからその瞳を少しだけ羨ましいと思いながら、花丸さんの瞳をジッと見つめる。
「ダイヤさん、本当にお仕事残ってないずら?」
「の、残ってないですわ」
「本当に、本当の本当にずら」
「ほ、本当の本当ですわ」
ジッと見つめあう私たち。
それがだんだん気恥ずかしくなってきて、私は花丸さんから視線を逸らした。
「あ、目を逸らしたずら。ダイヤさん、嘘ついてる。本当はお仕事たくさん残ってるずらね?」
「どうしてそうなるのですか!?」
ただ目を逸らしただけで、花丸さんにそう断言されてしまった。どうやら彼女のなかでは、目を逸らすと嘘をついていることになるみたいだ。
本当は見つめ合うのが恥ずかしくなって目を逸らしたのだけれど、それを弁明として口に出すのはもっと恥ずかしい気がする。
これは私の根負けだろうか。
ふぅっとため息をひとつ吐いて、花丸さんに向き直る。
「えぇ……花丸さんの言う通り、まだ仕事は残っていますわ」
「やっぱりずら。じゃあ明日も、マル手伝いに来るずら」
「えぇ、よろしくお願いしますわ」
そう主張を曲げない花丸さんに私が折れた。
明日もまた、花丸さんが生徒会室にやって来る。
翌日の放課後になると、花丸さんは生徒会室にやって来た。
花丸さんは昨日から、私の生徒会の仕事を手伝ってくれている。
今日もまた、昨日と同じように花丸さんに雑務を任せる。
私たちの間に会話はほとんどなく、ただ黙々と雑務をしていくだけの時間。
そんな時間だけど、不思議と居心地がいい。
花丸さんのもつ柔らかさというのだろうか。
私の勝手な想像だけれど、花丸さんは全てを許容して包み込むような優しさ、柔らかさをもっていると思う。
そんな花丸さんと一緒だからか、会話がなくとも落ち着いた時間を過ごせている。
これで手伝ってくれているのが花丸さん以外のAqoursメンバーだったら、きっと私はうるさく小言を言いながら雑務をしていただろう。
まだかろうじて落ち着けるのはルビィと梨子さんぐらいだろうか。だけどルビィは仕事が間違っていないか不安で仕方ないし、梨子さんとは付き合いも短いのできっと気まずくなるに違いない。
そう思うと、手伝ってくれているのが花丸さんで良かったとすら思う。
「ダイヤ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ