暁 〜小説投稿サイト〜
いろいろ短編集
アナタと寄り添うミライ
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。今日手伝ってくれただけでも十分助かりましたわ。明日からは私ひとりで」
「ダイヤさん。まだお仕事たくさん残ってますよね?」
「いえ、そんなことはありませんわ」

 嘘、本当は花丸さんの言う通りまだ多くの雑務が残っている。

「ダイヤさん、マルの目をよく見てほしいずら」

 言われた通りに花丸さんの瞳をよく見る。
 くっきりと丸くて少し垂れた、はちみつ色の大きな瞳。
 私はツリ目だからその瞳を少しだけ羨ましいと思いながら、花丸さんの瞳をジッと見つめる。

「ダイヤさん、本当にお仕事残ってないずら?」
「の、残ってないですわ」
「本当に、本当の本当にずら」
「ほ、本当の本当ですわ」

 ジッと見つめあう私たち。
 それがだんだん気恥ずかしくなってきて、私は花丸さんから視線を逸らした。

「あ、目を逸らしたずら。ダイヤさん、嘘ついてる。本当はお仕事たくさん残ってるずらね?」
「どうしてそうなるのですか!?」

 ただ目を逸らしただけで、花丸さんにそう断言されてしまった。どうやら彼女のなかでは、目を逸らすと嘘をついていることになるみたいだ。
 本当は見つめ合うのが恥ずかしくなって目を逸らしたのだけれど、それを弁明として口に出すのはもっと恥ずかしい気がする。
 これは私の根負けだろうか。
 ふぅっとため息をひとつ吐いて、花丸さんに向き直る。

「えぇ……花丸さんの言う通り、まだ仕事は残っていますわ」
「やっぱりずら。じゃあ明日も、マル手伝いに来るずら」
「えぇ、よろしくお願いしますわ」

 そう主張を曲げない花丸さんに私が折れた。
 明日もまた、花丸さんが生徒会室にやって来る。



 翌日の放課後になると、花丸さんは生徒会室にやって来た。
 花丸さんは昨日から、私の生徒会の仕事を手伝ってくれている。
 今日もまた、昨日と同じように花丸さんに雑務を任せる。
 私たちの間に会話はほとんどなく、ただ黙々と雑務をしていくだけの時間。
 そんな時間だけど、不思議と居心地がいい。
 花丸さんのもつ柔らかさというのだろうか。
 私の勝手な想像だけれど、花丸さんは全てを許容して包み込むような優しさ、柔らかさをもっていると思う。
 そんな花丸さんと一緒だからか、会話がなくとも落ち着いた時間を過ごせている。
 これで手伝ってくれているのが花丸さん以外のAqoursメンバーだったら、きっと私はうるさく小言を言いながら雑務をしていただろう。
 まだかろうじて落ち着けるのはルビィと梨子さんぐらいだろうか。だけどルビィは仕事が間違っていないか不安で仕方ないし、梨子さんとは付き合いも短いのできっと気まずくなるに違いない。
 そう思うと、手伝ってくれているのが花丸さんで良かったとすら思う。

「ダイヤ
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