恋色シャイニー
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ごめん!」
「違うの、私が悪いの! あのときアナタにヒドい態度をとってしまった……それ以来、顔を合わせるのが怖かったの。話しかけられても、なにを話せばいいのか分からなくて……だから私が悪いの! アナタはなにも悪くない!」
「違う! 悪いのは僕だ!」
「いいえ! 悪いのは私よ!」
「僕だ!」
「私よ!」
「僕!」
「私!」
終わらない議論。
互いにムキになっていて、思わず笑みが溢れ出てしまう。
それはマリーも同じなようで。
「「ぷっ……くくっ……あははははっ!!」」
僕たちは盛大に笑い合った。
こうして笑い合うのも久しぶりだ。
マリーの笑顔を見るのも久しぶりだ。
やっぱり僕は、この時間が大好きだ。
マリーの笑顔が大好きだ。
――マリーが大好きだ。
「マリー、僕はキミが好きだ」
想いを告げる。
嫌われてしまうのが嫌で、ずっと逃げていた。
だけど、伝えないまま別れるのはもっと嫌だ。
マリーの顔が赤くなる。
恥ずかしそうに下を向いて、マリーは言う。
「私も、アナタのことが好きよ」
「僕たち、両想いだったんだね」
「そうだったみたいね。だけど……もうお別れみたい」
「もっと早く、好きだって伝えておけばよかった」
「もっと早く、アナタに好きだと言えばよかった」
「さようなら、マリー。元気でね」
「さようなら、アナタ。元気で」
僕たちは互いに近づいていく。
そうして距離がゼロになり。
――僕たちは、別れのキスをした。
***
それからマリーのいない半年の高校生活を終え、僕は大学生になった。
マリーのいない半年間、僕は必死に勉強をして、大学に合格することができた。
それも、日本の大学に。
親に頭を下げ、日本の大学に一人暮らしをしながら通うことが許されたのだ。
迎えた春。
大学の入学式。
しばらく前から始めている一人暮らしにはまだ慣れないが、これから新しい生活が始まる。
大学の構内。
僕はそこである人を待っていた。
去年の春に別れてから、メールや電話でやり取りは続けている僕の
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