恋色シャイニー
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あざ笑うかのように、事態は思わぬ方向へと向かっていく。
先生からマリーが明日、日本に帰国するという話を聞いたのは、まだ高校三年生になって一月も経たない日のことだった。
そのことを知らせれてた翌日。
マリーが日本に帰国する日。
僕はいつものように学校に来ていた。
当然そこに、マリーの姿はない。
今頃マリーは空港にいるのだろう。
もしかしたら、もう飛行機に乗ってアメリカを発っているのかもしれない。
結局、マリーと仲直りできないまま、別れることになってきまった。
マリーに想いを告げられぬまま。
授業を受けている間、僕はずっとうわの空だった。
ただボーッと窓の外を眺めながら、時間が過ぎ去っていく。
そんなとき、ケータイが震えた。
今は授業中。
バレないようにこっそりケータイを開くと、一通のメールが届いていた。
差出人はマリー。
内容は。
『ごめんね、さよなら』
それを見た瞬間、僕は立ち上がって教室を飛び出した。
授業を抜け出して、学校を出た僕は全力で走った。
目指すのは、ここから一番近い空港。
このままマリーとお別れなんて……そんなの嫌だ。
まだマリーと仲直りできていない。
マリーに僕の気持ちを、伝えてられていない。
せめて……せめて最後に仲直りをして、僕の想いを彼女に伝えたい。
駅に着いて電車に乗り、三十分ほどで空港にたどり着く。
「どこだ……どこにいるんだマリー!」
日本行きの便を掲示板で探す。
三十分後に出発する便を見つけ、僕はその搭乗口に向かって走り出した。
走る。
ただ走る。
全力で走る。
間に合うかどうか分からない。
前の便でとっくに出発しているかもしれない。
そもそもこの空港じゃないかもしれない。
そんな思いが駆け巡るが、僕はただ全力で走る。
そこにマリーがいる可能性に賭けて。
「はぁ……はぁ……」
たどり着いた日本行きの搭乗口。
慌ててゲートの方を見ると、そこに見慣れた後ろ姿を見つけた。
マリーだ、見間違えるはずがない。
マリーは今まさに、搭乗ゲートをくぐろうとしている。
「――マリー!!」
呼ぶと、マリーが振り返る。
「アナタ……」
マリーに駆け寄る。
「マリー、ごめん! 去年キミのダンスを見たとき、僕が変なことを言ってキミを傷つけてしまった……
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