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いろいろ短編集
恋色シャイニー
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いでってば!」

「本当だって! マリーは可愛いし、まるでアイドルみたいだったよ!」

「かわっ!? もう、からかわないでよ……バカっ!」

「ちょっ、マリー!? ごめん、悪かった。怒らないで!」


 マリーはポカポカと、僕の胸を優しく叩きだした。
 急にそんな行動をとりだしたマリーに、僕はどうすればいいのかわからなかった。
 なにかマズいことを言ってしまったのかと思い、ただ謝るだけだった。


「もうっ! アナタなんて知らない!」


 そう言い残して、マリーは校舎の方へと走り去っていった。

 そのときのマリーはなんだか様子が変だったけど、僕にそのことを尋ねる勇気はなかった。
 マリーに深く踏み込みすぎて、嫌われたくなかったから。

 この一年間過ごしてきた日常を続けていれば、僕はそれでよかったのだ。

 だけど僕はこのときにはもう、マリーとの日常を失ってしまっていたのだった。



 その翌日から、マリーは僕が話しかけると、わざとらしく逃げるようにどこかに行くようになった。
 まるでマリーが僕のことを避けているようだった。

 マリーは女の子の友達といることが増え、僕がマリーに話しかけることも減った。

 一人でいるときを狙って話しかけたりしてみたけど、マリーはあからさまに僕を避けるような態度をとっていた。

 あのとき、中庭でマリーのダンスを見たとき、なにか悪いことでも言ってしまったのだろうか。

 もしそうなら、マリーに謝りたい。
 きちんと謝って、またマリーと話したい。

 だけどマリーは僕を避けていて、会話をしようとしてくれない。
 もう完全に嫌われてしまったのだろうか。

 そう思った途端、マリーに話しかける回数も自然と減っていった。

 やがて僕からもマリーに話しかけないようになり、僕のまたクラスで一人ぼっちになった。
 マリーが留学してくる前までずっと一人だったはずなのに、僕はそれまで以上に寂しさを感じていた。

 それだけ、マリーと一緒にいる時間が楽しかったのだ。

 だけど、もうマリーには嫌われてしまった。
 

 それからマリーとは一度も話すことがないまま秋が過ぎ去り、冬を越え――春になった。

 僕たちは三年生になった。
 マリーと話せないまま迎えた高校三年生。

 僕はこの春に、マリーと仲直りをしたいと密かに思っていた。
 半年間マリーのいない日々を過ごしたけれど、とても僕には耐えられなかった。

 またマリーと友達に戻りたい。
 一緒に話して、昼食をとって、遊んで、笑いあって。
 そんな日常を取り戻したい。

 僕はそんな思いを胸に抱いて、三年生の春を迎えていた。

 だけど、僕のそんな願いを
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