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いろいろ短編集
恋色シャイニー
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…そうだけど……」


 いたずらが成功したようにマリーは笑った。
 マリーのその笑う顔を見て、僕はようやくからかわれたことに気づいた。


「だから……これからもよろしくね!」


 そして今度は、とびっきりキラキラした笑顔で、マリーは僕に向かってそう言ったのだ。

 その笑顔に僕は見惚れてしまい、曖昧な返事をすることしかできなかった。



 それからも僕とマリーは一緒にいた。

 他愛のない話をして笑い合って。
 マリーが僕にイタズラを仕掛けてきたりして。
 互いの家で遊んだりもして。
 メールのやり取りをして。
 夜遅くまで長電話をして。

 そんな時間を過ごしていくうちに、僕はマリーに惹かれていった。
 いつしか彼女のことを好きになっていた。

 マリーと一緒にいる時間は楽しくて。
 彼女の笑顔を見ると、幸せな気分になる。

 僕は完全にマリーに惚れていた。

 だけど、僕はマリーにこの想いを伝えようとは思わなかった。

 もし好きだと伝えて、マリーに嫌われてしまったら。
 今続いている幸せな時間がなくなってしまったら。

 そう思うと、怖くて想いを告げることなんて、とてもできなかった。

 好きだと伝えてなくていい。
 この時間が続くのなら、それだけで僕は幸せなのだから。

 それからも僕は想いを伝えることなく、マリーとの何気ない日常を送った。

 秋も冬も、二年生になった春も夏も、僕はマリーとの日々を大切に過ごしてきた。

 そして二年生の夏休みが終わり、僕たちが出会って一年が経った。

 そんなある日のこと。
 マリーと一緒に昼食を食べようと思ったけど、教室にマリーの姿が見当たらなかった。

 マリーを探して校内を練り歩いていると、中庭の一角でマリーの姿を見つけた。


「マ――」


 名前を呼びかけて、僕はその言葉を途中で飲み込んだ。

 その光景に、僕は見惚れてしまったのだ。

 華麗にステップを踏み、鮮やかにマリーは踊っていた。
 まるで日本のアイドルのように、マリーのその姿はただただ綺麗だった。

 僕はマリーのダンスが終わるまで、その様子を黙って見守ることにした。

 やがてダンスを終えたマリー。
 僕は思わず手を叩いて拍手を送っていた。
 拍手の音に気がついたマリーが振り返って、僕の姿を捉える。


「なんだアナタかぁ……いつから見てたの?」

「五分ぐらい前かな。一緒に弁当を食べようと探してたら、ここで踊ってるのを見つけて」

「もう、それなら声をかけてくれればよかったのに」

「邪魔したくなかったから。踊っているときのマリー、綺麗だったし」

「綺麗って、もう冗談言わな
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