キライ×キライ
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うとする貴女、やっぱり嫌い。
「私はただ、二人について行ってるだけだよ……」
自分の事を貴女はちゃんと理解していた。
ふわふわしている印象だったけど本当はしっかりしていた貴女、やっぱり嫌い。
わたし達は合宿に行く事になった。
みんなのまとめ役を自然とこなすアナタ、やっぱり嫌い。
「これからは先輩禁止よ」
みんなに気を遣ってアナタはそう打ち出した。
孤高でかっこいい人だと思ったらそういう気配りができるアナタ、やっぱり嫌い。
「二人とも可愛い〜」
「流石にこね」
合宿の間、アナタは何故かわたしの隣にいる事が多かった。
隣にいてほしくないのに不思議とわたしを落ち着かせるアナタ、やっぱり嫌い。
わたしが海外に留学する事になった。
ライブの練習に夢中で私に気を掛けてくれないアナタ。
嫌い。
「ことりが留学する事になりました」
「行ったきり、戻って来ないのね?」
わたしに行かないでほしいと言ってくれないアナタ。
嫌い。
貴女が日本を発つ日になった。
仲間の後ろにいる事をやめ、夢に向かって羽ばたこうとする貴女。
嫌い。
「ことり!」
留学を取りやめ戻って来た貴女に、私はいの一番に声をかけていた。
天使のような笑顔を見せて、私をドキドキさせる貴女。
嫌い。
「ねえ、絵里ちゃん」
「ことり、どうしたの?」
アナタ/貴女と二人で歩く帰り道。
アナタ/貴女と固く繋がれた手が熱い。
「わたしの事、どう思ってる?」
「なに、今更それを言わせるの? そう言うことりはどうなのよ?」
「じゃあ一緒に言おっか」
「いいわね。せーので言うわよ」
わたし/私に無いものをもっているアナタ/貴女が。
わたし/私の世界に彩を与えてくれるアナタ/貴女が。
「「せーの!」」
わたし/私のことを大好きだと言うアナタ/貴女が。
「「――――」」
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