キライ×キライ
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第一印象は最悪だった。
毅然としていて、どこか高圧的で、何でも一人でこなしてしまいそうなアナタ。
わたしが持っていないものを、わたしが望んでやまないものを持っているアナタの事が嫌いになった。
わたし達の一度目の出会いを思い出す。
声をかけてきたのは、嫌いになったアナタからだった。
「ねえ、ちょっといい?」
「あっ、はい!」
昼休み、わたしは校庭の木の下で穂乃果ちゃんと海未ちゃんとお昼ご飯を食べていた。
そこに突然やって来たアナタ。
わたし達の時間を邪魔するアナタが嫌い。
「南さん。貴女確か、理事長の娘よね?」
「あ……はい」
「理事長、何か言ってなかった?」
「いえ、私も今日知ったので……」
「そう……ありがとう」
聞きたい事だけを聞いて去っていくアナタ。
そんなアナタが嫌い。
第一印象は最悪だった。
優しそうで、どこか優柔不断で、後ろをついていく事の出来る友達を持っていた貴女。
私が持っていないものを、私が望んでやまないものを持っている貴女の事が嫌いになった。
一度目の出会いから時間が流れたある日の、何度目かの出会いを思い出す。
それは嫌いな貴女が講堂でライブをした時だった。
「どうするつもり?」
貴女達に問いかけた。
今思うと、本当は嫌いな貴女だけに問いかけたのかもしれない。
「続けます!」
貴女の隣にいる友達が答える。
そうやって頼れる人の後ろに隠れている貴女が嫌い。
「何故? これ以上続けても意味があるとは思えないけど」
「やりたいからです!」
私にはやりたい事を自由にできない。
やりたい事を自由にできる貴女は、まるで翼で大空を自由に羽ばたく鳥のようで。
そんな貴女が嫌い。
そうやってわたし達の邪魔をするアナタが嫌い。
アナタもわたしと同じ、廃校を何とかしたい思いのはずなのに。
わたしと全く同じ気持ちを持つアナタ。
同じのはずなのに一人で何とかしようと頑張るアナタ
わたしには出来ない事を平然とやってのけるアナタが嫌い。
アナタがわたし達の仲間になった。
仲間に誘われた時、嬉しそうに泣いていた。
いつも一人で強い人だと思ってたのに、涙を見せるアナタが大嫌い。
私は貴女達の仲間になった。
今まで散々嫌な事を言ってきたのに、貴女は笑顔だった。
そうやって私にとっても素敵な笑顔を向ける貴女が大嫌い。
貴女が何か悩んでる様子だった。
仲間と訪れた秋葉原で偶然出会った貴女はメイド喫茶で働いていた。
私に隠し事をしていた貴女、やっぱり嫌い。
「自分を変えたいなって思って……」
変わる必要なんて無いのに。
そのままの貴女でいいのに変わろ
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