久遠の記憶、憧憬の景色。
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つほど高い背丈。
そして何より、落ち着いた大人の雰囲気を漂わせる。そんな大人のおねーさんだった。
昨日、久と公園で話をしてわかったことがある。
久と会話をするのは、とても楽しい。
敬語を使わない私に怒りもせず、自然と受け入れてくれる。
だから私も、年上の久に対して自然なやり取りをすることができた。
それが、なんだか心地良くて。
気がつけば私は、久みたいな女性になりたいと、憧れすら抱いていた。
だから今日、松実館の前で久を見つけた時も、ついつい声をかけた。
そして、学校をサボってまで久と一緒にいることを選択した。
久も学校をサボって旅行に来たのだから、彼女に近づくために私も同じようにしたまでだ。
そうして、学校をサボった私は久と少し遠出をして、市街地の方までやって来た。
そこにあるショッピングモールに入り、洋服店で服を選んでいる。
久が買ってくれるというので、ありがたく買ってもらうことにしたのだ。
「ねー久、どれがいいと思う?」
「……安いのにしてよね」
久はサイフの中身を確認しながら言う。
もちろん、買ってもらう手前、それほど高いものには手を出さないつもりだ。
私は今、制服の上に久の着ていたパーカーを羽織っている。
これすると学校をサボっていると、見られないと、久が貸してくれたのだ。
「早く選んでよね、この格好恥ずかしいんだから」
だから久は今、上はオシャレなTシャツ一枚だけという格好だった。
けっこうピッタリめの服で、久のスタイルがクッキリと浮き彫りになっている。
腰のくびれがハッキリと見てとれ、大きくはないが形のいい胸も衣服越しに目立っている。
私は久みたいにスタイルがよくない。
まだ中学一年生というのもあるが、久みたいなクッキリとしたくびれもなく、胸だって膨らんでいない。
同い年でとてつもない胸をしている女の子を知っているだけに、子供体型の自分が悔しくなる。
その子みたいになるのは、どう足掻いても無理だとわかる。
だからいっそう、久のスタイルに私は憧れを抱いた。
「うーん……ねぇ、久が選んでよ」
「私が?」
「うん。久ってスタイルいいし、服もオシャレだし。私、久みたいになりたいな」
そう言うと、久は困ったように眉をひそめた。
「私みたいになっても、良いことなんてないわよ?」
「いいの、私が久みたいになりたいって思ったんだから」
すると久は、少し考えて、一着の服を手にとった。
「これなんか、憧ちゃんに似合うんじゃない?」
久がとったのは、
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