暁 〜小説投稿サイト〜
国木田花丸と幼馴染
変わるもの、変わらないもの。
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 俺と写真を撮ることに少し躊躇いを見せるルビィだったが、マルから許可を得たことでパァッと明るくなる。


「ハルくん、すまーとふぉん? マルが撮ってあげるから貸して!」

「……大丈夫か?」

「大丈夫ずら!」


 マルはなぜか得意げに言う。いやスマホ持たせた瞬間「未来ずら〜!」とか言いそうだし、操作できないっぽいし。

 まあやってみないとわからないので、俺はマルにスマホを渡す。もちろんカメラアプリを起動させたまま。


「未来ずら〜!」

「いいか、ここを押したら撮れるから」

「わかったずら!」


 予想通りの反応を見せたマルに念押しして、俺はルビィと並ぶ。マルと撮ったときに比べて少し距離があるが、こればかりは仕方がない。


「えーっと、ここをこうして……ずらっ!?」

「どうした!?」


 慣れないスマホに手間取っていたマルが、突然驚きの声をあげた。


「画面が変わったずら……」

「どれどれ」


 近づいて確認してみると、カメラアプリがタスクキルされていた。いったいどう操作したらこうなるんだ。


「マルには任せられない。俺とルビィは自撮りで撮るから」

「自撮り?」


 またもや聞き慣れない言葉に疑問符を浮かべるマル。そんなマルをよそに俺はスマホを持ってルビィに顔を近づけた。


「はい、チーズ」


 こうしてルビィとも無事に写真が撮れた。やっぱりマルにスマホを貸してはいけない。

 そう思っていたらマルが頬をぷくりと膨らませていた。


「マルもさっきので撮りたいずら」

「さっきのって……自撮り?」

「ずら」


 どうやら俺とルビィの自撮りが羨ましかったようで、マルはご機嫌斜めになっている。


「ほらハルくん撮って!」


 マルが俺の隣、ルビィとは反対側にやってきて顔を近づけてくる。突然のことに俺は慌てながらも、手に持ったスマホでなんとか写真を撮ろうとした。


「ちょっ、マル動くな! あとルビィ、それだと写らないからもっと近づいて!」

「で、でも……」

「いいから!」

「わ、わかった……!」

「あ、ルビィちゃんズルい! マルももっとハルくんにくっつくずら!」

「おいマル近いって! ちょっ、頼むから動くなって! ……あっ」


 パシャリ。

 ドタバタしているうちに手がシャッターボタンを押してしまい、写真が撮られてしまった。

 撮れた写真を三人で見てみると、奇跡的にピントは合っていたものの、俺たち三人の慌ただしい様子がしっかりと収まっていた。

 ルビィは顔を赤くしながら俺の腕に抱きついていて。マルは俺の胴に両手
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