変わるもの、変わらないもの。
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
気ある〜』
周りからそんな声がヒソヒソと聞こえてくる。マルに告白することに夢中で、全く周りが見えていなかった。
「ハルくん」
「はい」
なぜか怒っているような声色のマル。俺は自然と身構えてしまう。
――そして。
「図書館では大声厳禁ずらーーーーッ!!」
「お前も大声出してるじゃねえかーーーーッ!!」
それから俺たちは図書館を出て、人気のない場所に移動。改めてマルに告白をし、オーケーをもらって俺たちは晴れて恋人同士になったのだ。
***
恋人になっても、俺たちの間で変わったことといえば少ない。強いて言えばデートを数回したことと、マルが時折甘えるようになってきたことぐらいだろうか。
それ以外はなにも変わっていない。俺とマルが恋人になる以前と、なにも変わらない日常を俺たちは過ごしていた。
「花丸ちゃん! 榎本くん!」
「ルビィちゃん!」
俺とマルのもとにやって来たルビィ。俺は彼女の気持ちに応えることができなかったが、それでも今なお俺たちは友達のままだ。なにひとつ変わらない。
「二人とも、卒業おめでとう!」
「ルビィちゃんも、卒業おめでとうずら!」
「ルビィも、卒業おめでとう。あとマル、俺のときに比べて態度が違うくね?」
「ルビィちゃんはハルくんみたいにバカじゃないから。ねぇー!」
「ねぇー!」
「お前ら……」
俺が合格した高校、浦の星とそんなに偏差値変わらないからな。いい加減俺をバカ呼ばわりするのはやめてほしい。
まあ、二人の笑顔が見れるのならそれで構わないのだけれど。
「そうだ、二人の写真撮ってあげる! 花丸ちゃん榎本くん、並んで!」
「サンキュー。あとでラインで送ってくれ」
「ライン……?」
「……マルには関係のないことだよ。ほら撮るぞ」
ラインに疑問符を浮かべるマルを強引に引き寄せ、俺たちは密着する。そうしてルビィに写真を撮ってもらった。
「ありがとうルビィ。次はマルとルビィな、俺が撮ってやるから」
「ルビィちゃんとも写真撮るずら!」
「うん、撮ろう花丸ちゃん! 榎本くん、あとでラインで」
「オッケー」
「ねえ、ラインってなにずら?」
「……撮るぞ。ほらもっとくっつけ。よし、そんなもんかな。はい、チーズ」
パシャリと写真を撮る。仲良くくっついて笑い合うマルとルビィが写っていた。いい写真だ。
「次はハルくんとルビィちゃんで撮るずら!」
「花丸ちゃん、いいの?」
「もちろんずら!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ