迫られる選択
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ハルくんのことどう思ってるの?』からです」
「マルの真似はしなくていいの」
「……ごめんなさい」
場の空気を和らげるために仕掛けたマルの真似は、どうやら不評のようだ。結構似てると思うんだけど。
「そこから聞いてたならもう知ってるよね。マルもルビィちゃんも、ハルくんのことが好き」
「お、おう」
なにこの状況。ルビィはずっと顔を髪の毛より赤いんじゃないかってぐらい赤くして下を向いて黙り込んでるし、マルは怖いし。
「それで、マルたちの気持ちを聞いたハルくんはどうするの?」
「……どうするって? マルかルビィのどっちかを選べってこと? そんなの――」
今この場で選べと言うのは、あまりにも酷すぎるだろ。選ぶのは俺だけど、選ばなかったどちらかのことを考えると、とてもこの場で今すぐ答えを出すわけにはいかない。
「少し、考えさせてくれ」
「……わかったずら」
俺はこうして、また嫌なことから目を逸らしてしまうのだ。勉強がそうだった。今は向き合っているけれど、それまではずっとしてこなかった。その対象が変わっただけのこと。
今日はもう帰ってほしいとマルに言われて、俺は言う通りにマルの家から出ていった。
自分の家に戻り、部屋のベッドに寝転がって考えてみるが、どうしたらいいのか皆目見当もつかない。
結局その日、俺は直面の問題から逃げるように、なるべく思い出さないように、勉強に没頭したのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ