迫られる選択
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てたとき、ハルくんに助けてもらって。それで……」
「惚れちゃったずらね」
なんだか、扉の向こうでものすごく恥ずかしい話が繰り広げられているのでは? これを聞いて俺は、これから二人とどう接していけばいいのだろうか。いつも通りの振る舞いができるのだろうか。
「そ、そういえば! 榎本くん遅いね」
「本当ずら。そろそろ来てもいい時間なのに」
「どうしたのかな。……もしかして、ルビィがいるから……」
いや、部屋に入れる空気じゃないから外で盗み聞きしているだけです。これ、バレたら本当にヤバいな。
「そんなことないずら。ハルくん、ルビィちゃんのこと大好きだから」
「だ、だだだだいっ!? ……あぅ」
「そ、そういう大好きじゃなくて! たぶん友達として、ルビィちゃんのこと好きって意味ずら」
「そ、そうなの……?」
「うん、見てたらわかるずら」
まあ、ルビィのことはマルの言う通り、友達としては好きだ。幼馴染だからなのか、見ていてそういうことがわかるらしい。
しかし友達としては好きだけど、恋愛としてと聞かれると……返答に困る。そもそもそういったことは考えたことがない。
「話してたら喉乾いてきたずら。マル、飲み物とってくるね」
「うん、いってらっしゃい」
まずい!
そう思ったが逃げ出す暇がなかった。
「………………ハルくん?」
内側から開かれた扉。扉の前にへたり込む俺。俺を見下ろす幼馴染。
「よ、ようマル、奇遇だな」
なにが奇遇だよ。ここで勉強する約束だったじゃないか。奇遇もへったくれもあるか。
「ハルくん……聞いてた?」
怖い怖い怖い! 完全に目からハイライトが消えてるぞ俺の幼馴染!
「な、なんのことだ?」
「聞 い て た ?」
「聞いてました、はい」
屈服。幼馴染の前で屈辱だ。だが隠し通す自信もなかったし、ならばいっそ当たって砕けるしかないと思ったのだ。
そのあと俺はマルと一緒に飲み物をとりにいき、部屋に戻るとマルとルビィの前で正座をさせられた。
マルは笑顔だけど顔が笑っていないし、ルビィは顔を真っ赤にして下を向いている。……どうすりゃいいんだ。
そんな静寂を切り裂くかのように、マルが口を開いた。
「ハルくん」
「は、はい!?」
「どこから聞いてたの?」
ヤバい。マルのやつ、いつもの口癖を忘れるぐらい怒ってる。いつもなら「どこから聞いてたずら?」なのに!
「えーっと……『ルビィちゃんって、
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