迫られる選択
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ていると、気がつけば俺の家のすぐ近くまでやって来ていた。
「じゃあ俺は一旦着替えて行くから、二人は先に行っててくれ」
「ずら」
「うんっ」
そう言う二人を見届けて家の中へと入る。まっすぐに自室に向かって、入るやいなや制服を脱ぎ捨ててジャージに着替える。
通学カバンから必要なものだけを取り出して、別のカバンに詰め込んでいく。ここにはマルの家で勉強するための教材だけを入れていくのだ。
そんなこんなで準備完了。俺はマルの家へと向かった。
インターホンを押しても反応がなく、玄関が開いていたのでそのままマルの家の中に入った俺は、マルの部屋を目指していた。
一段上るたびに軋む木造の階段を上り二階へいき、少し進んだところにマルの部屋がある。
マルの部屋の前までたどり着き、ドアを開けようとしたら、中から会話が聞こえてきた。
「ルビィちゃんって、ハルくんのことどう思ってるの?」
「え、榎本くん!? 花丸ちゃんどうしたの急に!」
おお、これが噂に聞くガールズトークというやつか。気になるのでこのまま少し聞くことにしよう。
「なんとなく気になったずら。それで、どうなのルビィちゃん!」
「うぅ……」
ルビィの泣きそうな声。扉の向こうで彼女が縮こまっている様子が目に浮かぶ。
「す……」
「す?」
「……………………好き、だと思う」
なっ――!?
「ずらぁ……やっぱり、マルの予想通りずら」
え、マジ!? ルビィって俺のこと好きなの!? やばいやばいどうしようこの状況!
「そういう花丸ちゃんは、どうなの! 榎本くんのこと!」
おいおいルビィ、マルにも聞くのかよそれ! まあ確かに自分だけ答えたんじゃ不公平だからって、突っ込みすぎだろ! これがガールズトークの力なのか!
「マルも、ハルくんのこと好きずら」
これ、俺が聞いてることを知られたらたぶん殺されるんだろうなあ。
「ずっと前から好きなんだけど、ハルくんはダメダメのバカだから、マルの気持ちに全然気づいてくれないずら」
「あー……榎本くん、そういうの鈍感っぽいよね」
「そうずら! ハルくんは勉強だけじゃなくて、恋も全然できないバカずら!」
確かに、二人の想いはたった今、偶然盗み聞いた形で初めて知ったけど。それにしてもひどい言われようだった。
「でもハルくんは、いざという時になったら助けてくれるずら。ヒーローみたいにカッコよく」
「そうだよね! ルビィもサヤカちゃんに問い詰められ
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