がんばルビィ!
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なって分かることになった。それは、学校生活において自然災害のように発生するもので。台風や地震なんかより、もっとタチの悪いものだった。
「んーっ! 授業終わったずらー!」
「うへぇ……全然わからなくて死にそう」
放課後。授業が終わったあとの俺とマルの様子は対照的だった。マルが晴れ晴れとした表情を浮かべている一方で、俺はというと授業が全く理解できずに疲れ切っていた。
授業中のマルは楽しそうに先生の話に耳を傾け、ノートをとっている。それが俺には理解できない。勉強が楽しいなんて、マルみたいに頭の良いやつはみんな言うんだ。
「ハルくんも普段から勉強していれば、ちゃんとわかるようになるずら」
「できる気がしないんですが……」
「できるずら!」
やればできると言ってマルに励まされるが、逆に惨めになってくるのでやめてほしい。精一杯やった結果がこれなのだから。
「そうだ! ハルくん、このあとマルの部屋で勉強会ずら!」
「えぇー、なんで家でも勉強しなくちゃいけないんだよ。まぁいいけど」
「ずら! じゃあハルくん、早く帰るずら!」
「おう」
鞄に教科書やらノートやらを詰め込んでいく。すると、視界の端に黒澤の姿が映った。クラスメイトの女子と何やら話している様子で、二人は一言二言交わしたのちに、教室から出ていった。
その光景に、俺は妙な胸騒ぎを覚えた。
「……悪いマル。先生に呼ばれてたんだった、先に帰っててくれ」
「成績が悪すぎて、とうとう先生からお叱りされるずら?」
マルよ、なぜそんなに嬉しそうな目をしている。
「まぁ、そんなところ」
「わかったずら。マルは先に帰ってるから、終わったら家に来てね」
「了解。じゃあまたな」
「ハルくん、ファイトずら!」
グッと拳を握りしめて激励され、マルは教室から去っていった。
それから数分の時間を教室で潰したあと、俺は教室から出ていくのであった。
***
話がある。そう言われた私は抵抗する術もなく、クラスメイトの女子の後を付いていくしかできなかった。私なんかと違ってクラスの中心にいる女の子、名前は確かサヤカちゃんだったと思う。
黙ってサヤカちゃんの後ろを歩いていくと、だんだんと人気がなくなっていく。そしてたどり着いた場所は、影になってジメジメとした校舎裏だった。
サヤカちゃんが立ち止まって、私も立ち止まる。サヤカちゃんの話の内容は、大体の想像がついている。ここ数日、彼女は私に対して執拗にそのことを言ってきたからだ。
サヤカちゃんが私に向き直る。その表情は、どこか怒ってい
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