班分けは辛いよ
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誰と一緒の班になるという約束もしていないので、俺はその申し出をすぐに了承した。この二人と一緒の班なら、修学旅行は楽しめそうだ。
男子での三人グループができたところで、次は女子のグループと合流しなければならない。女子といえば幼馴染のマルが真っ先に浮かんだ俺は、教室を見渡してマルを見つける。
マルは黒澤と一緒にいるが、周囲をキョロキョロと眺めてどこか落ち着かない様子だった。まずは同性で三人のグループを作らなければならないので、おそらくあと一人に困っているのだろう。
同じ班に先にマルと黒澤を誘っておくべきだろうか。悩んでいると、俺達のもとへ三人の女子がやって来た。
「ねぇハル、私達と一緒の班にしない?」
俺にそう声をかけたのは、かなり派手な見た目をしたギャル系の女の子、名前は確かサヤカだったと思う。他の二人も似たような見た目をしていて、この三人はクラスの中心的な存在である。俺は彼女達とそこそこ話すことがあるが、正直言うと少し苦手だ。
俺の中の女の子のイメージとしては、一番よく知っている幼馴染のマルが強い。だからマルとは正反対のサヤカ達のことを少し苦手に思っているのかもしれない。
「ぜひぜひ! よろしくな!」
「本当!? やったー、ハルと同じ班だ!」
するとタナケンがサヤカの申し出を勝手に了承してしまう。おいなに勝手に決めてるんだよ。思わずタナケンを睨みつけてしまうが、その横ではサヤカ達が大はしゃぎで喜びを表に出していた。もう諦めて彼女達と同じ班になるしかないのか。
「ハル、修学旅行楽しみだね!」
「あ、ああ、そうだな……」
俺と同じ班になれて嬉しいのか、サヤカは眩しい笑顔を見せる。その笑顔から俺は視線を逸らすと、視界はいつも一緒にいる幼馴染を捉えていた。
相変わらずマルは黒澤と二人で、教室の隅っこの方で困り顔で立ち尽くしている。まだあとひとり同じ班になる女子を見つけられていないのか。マルも黒澤も交友関係が狭いので、なかなか自分から同じ班になろうと誘いにくいのだろう。
女子のグループも半分は出来上がっている。マルはまだ決まっていなさそうな女の子に近づいていくが、結局声をかけることができずに肩を落としてしまう。
そんなマルを見ていると、俺が付いていなくて修学旅行は大丈夫なんだろうかと、無性に心配になってきた。
「……悪いサヤカ。俺、マルと一緒の班になる約束してたんだった!」
「えーやだ! 私はハルと一緒がいい!」
俺がそう言うとサヤカは駄々をこね始める。ここから納得させるのは面倒だなと思っていると、タナケンの横にいたメガ島が何か思い出したように手を叩いた。
「そうだった! ハルは国木田さんと一緒の班
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