紅玉少女との出会い
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中学一年で初めて見かけたときは、数あるキラキラネームの中でも更に個性的だったので、強く印象に残っていた。
その黒澤ルビィがどのような人物なのか中学一年の俺は気になり、黒澤ルビィのいる隣のクラスまで出向き、友達と会話しながら俺は顔も知らない黒澤ルビィを探したのだ。だけど自力で見つけられるはずもなく、仕方なくその友達に黒澤ルビィはどの人なのか教えてもらったのだ。
その友達にあとで気があるのかとからかわれることになったのだが、それは置いておくとして。
ルビィという名に恥じない、燃えるように鮮やかな紅色のツインテール。気の弱そうな童顔は同じ中学一年というより小学生のようだった。それがその時俺が初めて黒澤ルビィを見たときの印象だった。紅髪のツインテールなんて名前以上に強烈な特徴だったので、今もなお強く記憶に残っている。
「あっ、ルビィちゃーん! おはようずら!」
噂をすればなんとやら。教室におどおどしく入ってきた黒澤ルビィを見つけたマルは、彼女に声をかけた。その声に気がついた黒澤ルビィはパッと顔をあげると、足早にマルのもとへとやって来た。
「花丸ちゃんおはよう! 今日から同じクラスだね!」
「うんうん! ルビィちゃんと同じクラスになれてマルは嬉しいずら!」
「ルビィも、花丸ちゃんと同じクラスになれて嬉しい!」
マルが黒澤ルビィと親しげに会話しているのを見て、なんだか胸がジーンと熱くなる。今までマルは俺の他に友達と呼べる存在がいなかったので、こういった場面に出くわすのはこれが初めてだ。
「そうだ、ルビィちゃんに紹介するずら! この男の人がマルの幼馴染のハルくんずら! で、ハルくん。マルの友達の黒澤ルビィちゃんずら」
「どうも。マルの幼馴染の榎本陽輝です。マルがいつもお世話になってます」
「お、男の人……ぴ、ピギィ……」
紹介されたので黒澤に挨拶をする。しておいて何だが、こういった形式張ったものは苦手なので背中がむず痒い。しかし黒澤とは初対面なことに加え、あまりフランクすぎるのが黒澤は苦手そうなので、堅い挨拶をせざるを得なかった。
「く、くくく黒澤……ピギィ……」
「ルビィちゃん、頑張るずら!」
黒澤が俺に向かって何かを言おうとしているが、その途中で言葉に詰まって項垂れてしまった。
「なぁマル、黒澤の奴どうしたんだ?」
「ルビィちゃん、極度の人見知りずら」
「あー……たしかにそんな感じだな」
俺はマルに近づいて耳元で小さく問いかけると、マルも黒澤に聞こえないよう俺の耳元で小さく答えてくれた。どうやら黒澤は人見知りらしい。改めて黒澤を見てみると、身体がカチコチに固まっていて視
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