201部分:TURN20 エルミーの来日その二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
TURN20 エルミーの来日その二
「宇垣さんがいないとそれはそれで寂しいな」
「よくそんなことが言えるな」
即刻だ。山下はその東郷を睨みすえて言ってきた。
「外相のお話を一番聞かないのは誰だ」
「俺だと言いたいのかな」
「そうだ。閣下も困っておられるぞ」
それでも見捨てず注意し続けるのが宇垣である。
「貴様のその不真面目さにはな」
「ははは、俺は堅苦しいことは苦手だからな」
「海軍長官としてあるまじき言葉だと思わんか?」
「特に思わないと言えば?」
「貴様のそのふしだらさを軽蔑する」
既にそうしているがそれでも言う山下だった。
「全く。とんでもない奴だ」
「てっきり斬るとか言うと思ったが」
「帝も来られる。それに祖国殿の御前だ」
だからだというのだ。
「その様なことはしない」
「じゃあ俺は命拾いをした訳か」
「残念ながらな。とにかくだ」
「間も無く帝が来られます」
秋山が言う。
「それではです」
「はい、それぞれの席につきましょう」
日本も言いだ。そうしてだった。
一同はそれぞれの席に着いた。そのうえで帝を迎えた。帝は己の席に着座するとすぐにだ。東郷達に対してこう問うた。
「ドクツからの援軍ですね」
「はい、ドイツさんからお話がありました」
日本が帝のその問いに答える。
「最新兵器による艦隊を送らせてもらいたいとのことです」
「最新兵器ですか」
「そうです。おそらくですが」
「あのマジノ線を攻略した兵器でしょうね」
東郷がここで帝にこのことを話してきた。
「それを送ってくれるとのことです」
「我が国がガメリカに遅れを取ると判断してのことですね」
「はい、だからです」
それ故にだと話す東郷だった。
「それで帝はどう思われますか」
「日本帝国とガメリカ共和国の国力差は圧倒的です」
帝もよくわかっていた。このことは。
「それを覆すことは容易ではありません」
「その通りです。やはりガメリカは強大です」
「しかも相手はガメリカだけではありません」
帝はこのこともわかっていた。それも痛いまでに。
「エイリスもいますしまだ中帝国もいます」
「敵は多い」
柴神がここで言った。
「劣勢という言葉でもまだ足りない位だ」
「だからです。私としてはです」
帝がこう言うとだ。東郷はその帝にすぐに尋ねた。
「では帝はこのことについてどう思われますか
「はい、いいと思います」
賛成だというのだ。ドクツからの援軍について。
「こちらとしても有り難い話です」
「そうですね。奴等と戦うにはです」
「戦力が少しでも必要です」
山下と秋山も己の意見を述べる。
「ですからドクツの援軍は有り難いことです」
「新型兵器のこともわかりますし」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ