第二十九話 怪盗その八
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「御前も」
「それはね」
「やっぱりか」
「戦いも出来るよ」
久志に笑って答えた。
「武器も持ってるしね」
「やっぱりそうか」
「これね」
こう言って短剣を出した。
「これで戦っているんだ」
「モンスターも倒してきてるか」
「そうだよ」
実際にという返事だった。
「これまで何十男百と戦ってきているけれど」
「勝って来たか」
「逃げることはあっても」
それでもというのだ。
「一度もね」
「死んだことはないか」
「そうだよ、あと投げる武器も使うし」
そちらもというのだ。
「ダガーとかブーメランもね」
「色々使うんだな」
「それがシーフの戦い方だよ」
「力や術じゃなくて素早さか」
「あとここだね」
自分の頭をコンコンと指差して話しもした。
「頭も使ってね」
「頭脳戦もか」
「大事だよ」
「俺達とは戦い方が違うってことか」
「シーフは非力じゃない」
淳二は笑ってだ、久志にこうも話した。
「やっぱり」
「ああ、それはな」
「大きな力のある武器は持てないしね」
「防具もな」
「身軽が信条だからね」
それ故にというのだ。
「どうしてもね」
「そうした武器も防具も使えないから」
「持ててもな」
「持つ位は出来るよ」
「戦うことには使えないだけでな」
「素早さが信条なのに素早さを殺したら」
そうした大きな武器、重い武器を持ってだ。防具にしろそれは同じだ。
「意味がないよ」
「軽い装備で身軽に戦うってことだな」
「そうだよ、だからね」
「軽い武器で身軽にか」
「戦うんだ」
「頭も使ってか」
「おいら達シーフはね」
まさにというのだ。
「そうして戦ってね」
「数百回もか」
「生き残ってきたよ」
「成程な」
「それでいいかな」
「ああ、いいぜ」
久志は笑ってだ、淳二を戦いのことでも受け入れた。
「御前は御前でな」
「頑張ってもらうってことで」
「頼むな」
「それじゃあね」
「これで五人、俺を入れて六人か」
「あと七人だね」
源三は笑って久志に言った。
「全員集めたら」
「その時はな」
「いよいよだね」
「領土を手に入れるか」
「そうするね」
「まあ領土はな」
拠点となるそこはとだ、久志は腕を組んでそのうえで考える顔になって話した。
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