第四章 腕試しと来襲
[1/12]
[8]前話 前書き [1]次 最後
2人の人物、森可成こと桐琴と、その娘、森長可こと小夜叉。
この二人はアオアシラを軽く狩猟したばかりの森羅に対し、睨んでいた。
そんな二人に対して麦穂が森羅を庇うように、彼よりも一歩前に出た。
麦穂「二人共、この方は久遠さまの大事なお客です。ですのでどうかご容赦を」
そんな彼女に、桐琴が口を開く。
桐琴「五郎左、そいつに聞きたい事があるからちと黙れ」
麦穂「しかしっ!!...「構わん、麦穂」...森羅殿」
自分の庇い立てをしてくれた麦穂の一歩前に出て、桐琴に尋ねた。
森羅「それで、お前らは俺に何を尋ねたいんだ?」
桐琴「貴様が今殺した熊の化け物だが、何だそいつは?それに貴様は?」
小夜叉「そうだ!てめぇ、そいつを簡単に殺したよな?てめぇも化け物か?だったら殺すぜ?」
そんな中でも、小夜叉は不敵に笑いながら森羅を挑発する。
森羅「雑魚は黙ってろ。俺はそこの女に聞かれている」
小夜叉「んだとぉ!!てめぇ!!」
淡々と返す森羅の態度に腹を立て、小夜叉は槍を構えようとするが、桐琴に戒められる。
桐琴「クソガキ!!」
小夜叉「....分かったよ」
戒められた小夜叉は槍を構えるのをやめた。
桐琴「うちのガキがすまなかったね。しかし話しを聞く前にまずその兜を取って素顔を見せてはくれんか?」
森羅「いいだろう」
桐琴の問い掛けに応じて兜を取り、素顔を二人に晒す森羅に桐琴は「ほう」と不敵に笑みを浮かべて、彼の間近まで近づき、値踏みをするかの如くじっくりと彼の顔を見上げていた。
そんな桐琴の行動に麦穂は困ったような顔をし、小夜叉は欠伸をかき、そして桐琴に値踏みをされている森羅本人に至っては別段これといって取り乱す事もせずにいた。
桐琴「中々の良い男じゃあないか?ええ?五郎左よぉ」
麦穂「桐琴殿、森羅殿は田楽桶狭間での御方です」
その言葉を聞いた桐琴はピクリと眉を動かして、不敵に浮かべていた笑みを無くして、今度は真顔になった。
桐琴「こいつがか?そうか...それで殿がか?」
麦穂「はい」
桐琴「へぇ〜....ふふっ」
森羅「何だ?」
尚も森羅に対し興味深々に笑みを向けている。
桐琴「おい、五郎左。殿はこいつに執心しとるんだな?」
麦穂「はい、そうです。ですから....」
桐琴「ああ、分かった。殿が良いと言ったのならきっと良い事なのだろうさ。ワシらがとやかく言う事はないさ。な?クソガキ」
小夜叉「ん?おお。母ぁの言う通り、殿がそう言ったのならこっちに文句はねぇよ.....だけどなぁ!!」
小夜叉が森羅に近づく。
森羅「?」
小夜
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ