EX回:第30話(改2)<お花畑>
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叫ぶ夕立。こんなときはストレートな彼女の性格が羨ましく思える。
機長からベルトを外して良いという指示が出た。直ぐに誰かが近づいてくる気配がした。
「司令ぇ」
慌てて振り返った。
「なんだ青葉さんか。変な声出すなよ」
私の言葉に彼女はニタニタしている。
「何だ? その目つき……もう写真は良いのか?」
青葉さんは口を開いた。
「あの娘、密かに連れて来ちゃったら、良かったんじゃないですか?」
「なっ!」
絶句した。
「……何を言うか? そんなこと出来る訳が無いだろう!」
「まーた、またぁー」
「こら! 上官を小突くなっ! お前の肘、痛いぞ!」
すると夕張さんも加勢してくる。
「そうですよ、千歳一隅のチャンスを逃しちゃいましたねえぇ、あんな良い子」
「お前ら、調子に乗りやがって」
私の言葉にはビクともしない二人。
そこで私は奥の手を出した。
「あんまり、しつこいと、二人が武藏様の前でビクついていたことを戻ってから皆にバラすぞ」
『あー!』
「それだけは堪忍してください」
急に、仰け反って態度を変えた二人。
(そうか、あれが切り札に使えるのか)
「What? いったい何事ネ」
金剛が聞いてくる。
「なんでもない」
適当に誤魔化した。
ただ、もう一人の当事者……技術参謀も微笑(ほほえ)んでいた。
(相変わらず寛代は無表情だが)
(その笑顔に救われるな)
それで、すべて良しとしようか。
私は、透き通る海を眺めながら思った。加速する機体の振動が心地よかった。
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