シーホーク騒乱 4
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リビングアーマーたちを一瞬で鉄屑へと変えた銃撃の嵐の中を悠然と突き進む。
「いにしえの魔導大戦ではミスリルゴーレムが大量に投入され、大いに活躍したというが、私のスターリ・ルイーツァリもそれに比肩するのではないか? ……くっくっく、シーホーク兵の銃撃はまるで霧雨のようだ。銃撃というのは――《見えざる手よ》!」
【サイ・テレキネシス】によって周囲に散らばる落ちた銃弾をすくい上げ、飛ばす。
念動力で斉射された何百何千という数の弾丸が炸裂。
ガトリング砲は射手もろとも粉々に破壊され、鉄と血肉の混合物となった。
狭間の狙撃手の頭部を貫通した銃弾は建物内を跳弾して城壁の中にいた兵士たちをも死に至らしめる。
亜音速で荒れ狂う鉄の飛礫は周囲を一瞬にして死の静寂に満たした。
「どうだね、シーホークの兵士諸君。これが真の銃撃というものだ。……と言ってもだれも聞いていないか」
念のために生存者を確認。視界を生命探知モードに切り替えてあたりを見渡すと瓦礫の下に生存者を発見した。
鋼のかいなで瓦礫をどかすと、ひとりの兵士が恐怖におののいた顔で見上げている。
「こ、降参だ。武器は捨て――ッ!?」
手にした銃を投げ捨て、両手をあげて投降の意思を示す兵士にカルサコフは無言のまま瓦礫を押しつけ圧殺した。
「なげかわしい。ここにも敗北主義者か。ひとたび戦火を交えたからには勝つか負けるか。どちらかが死ぬまで終わることはない、闘争における血と鉄の掟を忘れたか」
血肉のこびりついた瓦礫を城門にむかって投げつけると、その一撃で崩壊した。
カルサコフの進撃を阻む障害はもはや存在しない。
シーホークの権威たる総督府。
シーホークの権力を司る貴族や豪商。
シーホークの象徴である商業施設。
このみっつを徹底的に破壊し、虐殺し、蹂躙し尽くすことで堕落した街を無に帰す。
もはや目的達成は時間の問題だろう。
勝利を確信し、無人の野を征くカルサコフが歩みを止めた。
「なんだ……」
操縦席内のモニターが雲地区から潮風地区にかけて展開したリビングアーマーたちの数が減っていることを示している。
雲地区にはよほどの手練れでもいるのか。
貴族や豪商らが金にあかせて凄腕の冒険者や傭兵を雇っている可能性はある。彼らが奮戦でもしているのだろうか。
「あちらは将軍≠ェ率いる一隊がいる。たとえ歴戦の冒険者が相手だとしても、まず負けはしないだろうが……」
このまま総督府の制圧を続けるか、潮風地区にむかうか、カルサコフはしばし逡巡した。
「《駆けよ風・駆けて抜けよ・打ち据えよ》!」
ウェンディの起こした強風で体勢をくずしたり転倒したところを秋芳が斬る。
最初はその
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