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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 3
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るおこないだ。
「――邪鬼来臨――冥府幽冥――入死門砦――毒鬼蠱招――消滅緒神――万変邪蠱――凶神帰来――鬼魂来々――」
秋芳は京子が見たこともない奇怪な手印を結び、いつになく禍々しい呪文を唱えはじめる。
やがて日が陰ったかのようにあたりが暗くなり、陰気な風が蕭々と吹きはじめた。
「お、おい。なにか出てきたぞ」
太極図の中央の空間が歪みだす。霊気が陰の気に極端に偏り、比重の重いガスのように沈殿している。
それはすでに霊気ではなく瘴気と化していた。フェーズ1〜2レベル相当の霊災だ。
「人の顔が浮かんでないか?」
「おれには馬に見えるぞ」
「いや、あれは鳥だ」
「ちがう、豚だ」
「いやいや、ありゃあ――」
結界内で様々な形に変化する瘴気の塊を見て宋人たちが声をあがる。本来ならば霊的抵抗力のない一般人がこの距離にいれば霊災の発する気にあてられ霊障を負うところだが、結界によって内部の気は完全に遮断されていたので物理的にも霊的にも被害はなかった。
「…………」
京子は一瞬たりとも見逃さないよう、秋芳の術を注視している。
今の状態だけ見れば通常の霊災修祓の一場面といえる。霊災を結界で隔離し、周囲への被害を抑制。そのうえで霊気の偏向を分析して是正するよう働きかけるか、強大な呪力をぶつけて力づくで偏った霊気を丸ごと散らしてしまう。
さて、これからどうやって動的霊災が生じるのだろうか――。
(山を削る土木作業に従事させるのだから木剋土、木属性の動的霊災が妥当だろう。それ――)
千変万化をくり返す混沌とした瘴気に一定の流れを生じさせる。
「――東方来気――歳星宿光――五音角々――五情喜五志怒――」
木気の偏重、気の流れが一方にかたよる。
(だが目標はあくまで開拓、完全に破壊することではない。木気一辺倒ではなく土気も残して、いい塩梅にたもたねば)
五行には相生相剋のほかにも数種類の関係がある。
おなじ気が同じ量だけ重なると、その気が盛んになって結果が良い場合はますます良くなり悪い場合にはますます悪くなる比和。
剋される側の絶対値が強すぎて反剋する、たとえば木気が強すぎると金気の克制を受けつけずに逆に木が金を侮る相侮。
その逆に相剋が度を過ぎて過剰になる相乗など、様々な関係がある。
均衡が崩れた状態は長くはもたず、また良い結果を生み出さない。
だからこそ呪術師は、陰陽師は陰陽の調和を尊ぶ。
陰陽師の存在理由は、陰陽の調和をたもつこと。今そこにある人や自然との霊的調和をとりなすこと。けしてその逆ではない。
一個の陰陽の乱れは特定の場所や個人のみならず、やがては周囲に存在するすべての霊相や霊脈、精神や魂にも影響をおよぼす。
やがては世
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