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ヘタリア大帝国
2部分:TURN1 殿軍その二
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TURN1 殿軍その二

「提督としての質も問題だしな」
「ですからあの方だけは」
「しかし仕方がない」
「今の我が国の人材ではですか」
「平良提督もまだ入院している」
 この人物の名前も出た。
「韓国で民を虐げる元両班を成敗した際に撃たれたそうだが」
「はい、その傷が思ったよりも深くです」
「正義感が強いのはいいのだが」
 その平良という人物のことをだ。司令官は苦い顔で話していく。
「軽挙妄動が過ぎるのではないのか」
「私もそう思います。ですが」
「以前よりはいいか」
「はい、憂国獅子団でしたね」
 暗い顔になってだ。日本はこの組織の名前も出した。
「あの組織の指導者として国粋主義を掲げるよりは」
「あの組織のことは軍でも問題になっていた」
 司令も難しい顔で日本に述べる。
「我が国は最早日本だけではないのだからな」
「韓国さんと台湾さんもおられますから」
「そうだ。所謂連合王国だ」
 それが今の日本帝国だった。日本に加えて韓国と台湾も加えてだ。そのうえで日本帝国になっている、日本だけが構成国だけではなくなっているのだ。
 だからだ。司令も言うのだった。
「海軍にも陸軍にも韓国出身者や台湾出身者がいる」
「将校にも」
「そして韓国も台湾も祖国と共に戦っているのだ」
「それでああした国粋主義的な組織は」
「問題があった」
 政治的に極めて、だった。司令もそのことは認識していた。
 そしてだ。また日本に言う彼だった。
「だからだ。彼を台湾、韓国に出向させたことはだ」
「そして憂国獅子団の主要構成員を平良さんに同行させたことは」
「よかったな」
「はい、平良さんのお考えが変わりました」
「国粋主義を脱されました」
「元々正義感の強い男だった」
 国粋主義だが邪悪ではない、それが平良という男だというのだ。
 司令はそのことを認識したうえでだ。日本に話すのだった。
「後はその視野の狭さをどうにかすればだ」
「よかったな」
「はい、そうした意味で正解でした」
 平良を台湾、そして韓国に行かせたことはだというのだ。
 このことは日本も司令もよく認識していた。それでだ。
 そのうえでだ。日本は言うのだった。
「あれで憂国獅子団の方々は国粋主義から脱しました」
「解散したからな」
「今ではあらゆる人種の団結を旧構成員が主張しておられます」
「八紘一宇だな」
「そう主張されていますね」
「あの思想自体はいいのだが」
 だがそれでもだった。国粋主義よりはいいとしてもだった。それはそれでだとだ。司令は前を見たままでそのうえで日本に対してまた言ったのだった。
「それでもだ。やはり彼はだ」
「生真面目さ故にですね」
「生真面目なうえに正義感があまりにも強い」
 平良のそう
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