ペルソナ3
1887話
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「……俺達は、あのシャドウを相手にかなり苦戦していた訳なんだが……」
まさか自分達が苦戦していたシャドウを、俺が一撃で倒すとは思っていなかったのだろう。
消えたシャドウがさっきまでいた場所を見ながら、真田が呆然と呟く。
「苦戦したって言っても、お前達の場合は順平を庇いながら戦ってたんだろ? だとすれば、苦戦してもおかしくはないさ」
「それはそうだが……むぅ、微妙に納得がいかん」
まだ不満そうにしている真田だったが、今の俺にとってはそれ以上に大事な事がある。
「有里、俺の見間違えじゃなければ、お前はさっき妖精みたいなペルソナを召喚してなかったか?」
「え? あ、うん。してたけど」
「……俺が知ってる限りだと、ペルソナは1人につき1種類だけの筈なんだが」
「ああ、僕はペルソナチェンジが使えるから」
明らかに、特別なスキルっぽいものの名前を口にする有里。
ペルソナチェンジ。
その名の通り、使うペルソナを変えるというものだろう。
これで、ますます有里のこの世界の主人公説が高まったな。
「随分と便利そうだな」
「そうだね。ペルソナによって習得出来るスキルとか魔法に違いがあるから、そういう意味だとかなり便利だよ」
「だろうな」
それは実質的に、1人で幾つものペルソナを使えるという事だ。
随分と反則的な能力だと思ってしまうのは、俺だけではないだろう。
もっとも、便利なだけの能力というのは有り得ないだろうし、恐らく何らかのデメリット的なものもあるのだろうが。
ともあれ、今はその辺りを聞くよりも他にやるべき事がある。
「とにかく、一度モノレールから降りないか? 桐条も心配で待ってるだろうし。それに、順平もきちんと手当した方がいいだろ」
「……ああ。全く、突っ走りやがって」
俺の言葉に、真田が溜息を吐きながらそう告げる。
真田が順平をおぶりながら説明したところによると、このモノレールに乗り込む前から有里に対して色々不満を抱いていたらしい。
……俺だけじゃなくて、有里にも不満を抱いていたのか。
ともあれ、有里がリーダーだというのが面白くなかった順平は、活躍すれば自分がリーダーになると判断したのか、モノレールに乗り込み、シャドウを見つけるとすぐさま突っ込んでいったらしい。
そうして、シャドウに囲まれそうになっているところを、有里と真田に助けられ……恐らく、それがまた順平のプライドを刺激したのだろう。
助けられたにも関わらず、有里に礼も言わず、それどころか余計な真似をするなとすら言ったらしい。
有里はそんな順平を相手にしても特に気にしていなかったのだが、真田は別だ。
きちんとリーダーの命令には従えと言ったらしいが……ペルソナ使いとして自分は選ばれた存在
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