第二章 戦王の使者
戦王の使者U
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のまにか両手に持っていた2本の片手剣で上に跳ね飛ばした。それと同時に硬直していたその生徒の首を2本の剣でハサミを形作るようにして挟み込んだ。そして誰もがアインの顔を見て驚いた。弾丸はアインの顔に達しておらず、アインが掛けていた眼鏡の右のレンズを貫通せずにそこで止まっていたのだ。
「いやー、防弾にしといてよかったよ。いつかこんなことあるとは思ってたけどまさか2日目から役に立つとはねぇ」
「フィリーリアス、その剣を下ろせ」
「お断りします、織斑教論。少なくとも自分の身の安全が確保できるまでは下ろしませんよ。まだ暗器の類を隠し持ってるかもしれませんしね」
「・・・分かった。そいつを逃すなよ、拘束してひとまず理事長室だ」
千冬は懐から手錠を取り出して生徒の背中側で腕を拘束し、理事長室にアインと生徒を伴って向かった。しばらくしたあとアインは理事長室で事情聴取から得られた情報を元に考えられた今回の事件の顛末を聞かされた。今回の件は女権の意向によるものであの生徒はその女権に所属しており、学園は今回の事件でその女権を起訴することが後の職員会議で決定した。朝一番の出来事で午前中は1年1組の他の生徒は授業に集中出来ず、無為な時間を過ごして昼休みを迎えた。アインは昼休みは可能な限り睡眠時間にあてるつもりで食堂に軽く食べられるようなものが何かないか探しにきていた。そして、メガネを失った弊害は"メニューが見えない"という意外なところまで出ていた。
「おばちゃん、あれなんて書いてあるんだ?目が悪くて見えねぇんだけどよ」
「おや?アンタ、メガネはどうしたんだい?」
「あー・・・そのー・・・色々あって壊れちまった」
「えっとねぇ、左からサンドイッチ、ラーメン、(中略)和洋中それぞれの定食だね」
「じゃあサンドイッチで。お代はいくらだ?」
「320円だよ」
「あいよ、320円ちょうどだね。ちょっと待ってな」
そう言っておばちゃんは厨房に引っ込み、アインが欠伸をしながらカウンターで待っていると不意に声を掛けられた。眠そうな目でアインがそちらを見ると、そこに立っていたのはセシリア・オルコット。
「フィリーリアスさん。一緒にお茶でもいかがでしょう?実は私もお昼はまだなんですの」
「それは是非とも。おばちゃん、サンドイッチもう一つ追加でよろしく!お代はここに置いとくからよー!」
セシリアが席を取ってきますわね、とその場を離れ、厨房からは、あいよー!と元気な声が返ってきた。
「じゃ、手短に済ませようか。用件は?」
サンドイッチ片手にセシリアと向かい合って座ったアインは言葉を飾らずに話しかけてきた理由を問うた。
「では。端的に言わせていただきますと、私に剣の扱いを指南して頂きたいのです」
「ほう、なんでまたそんな酔狂なことを?オルコットさ
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