第六幕その十一
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「炒めます」
「お刺身とお味噌汁と」
「この三つを作ります」
「わかったよ、じゃあね」
先生はトミーの言葉に笑顔で応えました。
「楽しく待っているよ」
「そうされて下さい、お刺身は沢山ありますので」
「そうなんだ」
「はい、ですからお酒を飲まれるなら」
その時はというのです。
「肴にどうぞ」
「有り難いね」
「お刺身はお酒にも合いますしね」
「そうなんだよね、これが」
「日本酒に最高に合いますよね」
「それに白ワインにもね」
こちらのお酒にもというのです。
「合うからね」
「今日は飲まれますか?」
トミーは先生にお酒のことも尋ねました。
「そうされますか?」
「うん、今日は白ワインをね」
「そちらですか」
「楽しませてもらおうかな」
飲んで、です。
「そうさせてもらおうかな」
「うん、白ワインもいいからね」
先生はこちらのお酒も好きです、というよりかは日本に来てから色々なお酒を飲む様になっています。
「そちらにするよ」
「白ワインは身体にいいですしね」
「和食にも合うからね」
「だからですね」
「そちらを飲むよ」
その白ワインをというのです。
「そうするよ」
「では」
「うん、御飯の後でね」
「残ったお刺身で、ですね」
「飲ませてもらうよ」
「実はそのことも計算に入れてました」
そうしてというのです。
「お刺身を沢山買ってきました、安かったですし」
「特価だったんだ」
「はい、そうでした」
スーパーでそうだったのです。
「それで買ってきました」
「いいね、それじゃあね」
「楽しみにしておいて下さいね」
「うん、是非ね」
「あとですが」
トミーは先生にこんなことも言ってきました。
「桜酒はどうですか?」
「ああ、桜の花びらを入れた」
「そちらのお酒はどうですか?」
「いいね、桜の花が咲いたらね」
その時はとです、先生は笑顔でお話しました。
「桜の花びらを入れた日本酒を飲みたいね」
「日本の春の楽しみですね」
「その一つだよ」
「お花見の時に飲みますね」
「そうなるね、じゃあね」
桜の花が咲いたらというのです。
「是非飲むよ、もうすぐだね」
「じゃあ美味しいお酒を用意しておきますか」
「そうしようね、お静さんのお店に行こうかな」
「そういえばお静さんも最近上機嫌ですね」
「春になったからだね」
「猫ですからね」
もっと言えば猫又です、猫は長生きするとこの妖怪になるのです。
「お静さん寒いのは苦手ですから」
「コタツで丸くなるだね」
「日本の猫は」
「そうだね、けれど春が好きなのはね」
「どの猫でも同じですね」
「そうだね、じゃあね」
「春になったので」
「そのお酒も楽しみにしておくよ」
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